“接触機会”として重要性が高まるインターンシップ
25卒で留意するべきことに、「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」(3省合意)の改正がある。ポイントは、大学生等のキャリア形成支援に係る取り組みを4つに類型化するとともに、一定の基準を満たしたインターンシップで得た学生情報を、広報活動や採用選考活動に使用できるよう見直したことだ。
高村 多くの企業が、就業体験を必須とせずに半日や1日で開催される「オープン・カンパニー」と、就業体験が必須で5日間以上で開催される「インターンシップ」を併用しています。実施日数は企業規模にかかわらず、「半日間」「1日間」が多く、また、25%ほどの企業が「5日以上」実施しています。
インターンシップ類に参加した学生を採用した企業の割合は大手企業で89.3%、中堅・中小企業でも67.6%を占めています。また、学生の78.0%がインターンシップ類に参加している結果になっています。
いまや、インターンシップ類は、学生にとっても、企業にとっても、就活・採用活動において不可欠なステップだ。とはいえ、そこにはいくつかの課題も浮き彫りになっている。
高村 例えば、内定者に占めるインターンシップ類の参加者の割合が「50%以下」は大手企業では79.2%、中堅・中小企業では79.4%と大多数を占めます。つまり、インターンシップ類に参加した学生“にも”内定を出すけれど、大部分は参加していない学生に内定を出しているのが実態です。
また、インターンシップ類を実施するうえでの課題としては、「応募母集団の形成がうまくいかない」が企業規模を問わずに最も多く、次いで、「インターンシップ類の参加者が本選考を受けてくれない」が3割前後あります。インターンシップ類だけで採用計画を満たせるわけではないのです。
さらに言えば、学生側からすると、3年生の6月頃に就活がスタートしますが、その際、インターンシップ類を実施する予定がない企業は、「採用予定のない会社」と認識されがちです。つまり、インターンシップ類を行わなければ、企業の存在が学生の目に留まらないのです。
今回の調査で言えば、学生1人の平均エントリー社数は40社ほどであり、まずは、その数字に入らなければ本選考への応募も期待できません。