なぜこんなところに?というところに大便が鎮座しています。しかも何人分も。匂いもすごいことになっています。それをものともせず、席をとっていない人がトイレの前で平気で寝ています。
この状況は、インドが経済発展しようがIT大国になろうが変わりません。
一方、空港は列車とは真逆です。とてもきれいです。空港のトイレには、トイレを掃除するおばちゃんが常駐しています。
いつもきれいに掃除してくれるのはいいのですが、お金を要求されることもあります。トイレの使用料というのではないのですが、まあ、運がよければお金がもらえるかも、という感じです。
入国時は両替しても小銭は手に入らないし、帰国時は、すでにルピーは使い切っているため、小銭をもっていません。このようなときのために、少し小銭を残しておいたほうがいいですね。
トイレがないと知っていたら
「結婚しなかった」
野外排せつの問題と村社会の保守的な考え方を取り上げた『Toilet-Ek Prem Katha』(邦題:トイレ ある愛の物語、2017年)という映画があります。これはマディヤ・プラデーシュ州で起こった夫婦の実話をベースにした映画です。
内容は、次の通りです。
農村に住むケーシャヴは列車で出会ったジャヤーに一目ぼれしました。偶然再会し、相思相愛となった2人は障害を乗り越えて結婚します。
しかし、結婚初夜が明けた翌朝、ジャヤーは、村の家にはどこもトイレがないことに驚きます。村の女性たちは毎朝、日の出前に集団で村の外まで行って用を足すのです。
ジャヤーは屋外で用を足すことを拒み、ケーシャヴに家にトイレをつくってくれるよう頼みますが、保守的なバラモン階級であるケーシャヴの父が頑強に反対します。
ケーシャヴとジャヤーはトイレをつくろうとしますが失敗し、ジャヤーは実家に帰ってしまいます。
この映画では、まさにインドの村で問題となっている野外排せつのことを扱っています。
ジャヤーは、「トイレがないと知っていたら結婚しなかった」と言っています。彼女は、隣村に住んでいたのですが、隣接する村同士でもトイレの普及とトイレに対する意識がかなり違います。