27歳で生活保護→30歳で世界的ベストセラーを書き上げた女性作家の覚悟Photo:PIXTA

なぜ働くのか?それは「食べていくため」と断言するのが、2ちゃんねる創設者で実業家のひろゆき氏だ。「やりがい搾取」でつぶれていく人が多い中、仕事に過剰に「やりがい」を求めるのは危険な生き方だという。ライスワークとライフワークのバランスの取り方についてひろゆき氏が柔軟な思考で解く。※本稿は、ひろゆき(西村博之)『僕が若い人たちに伝えたい 2035年最強の働き方』(Gakken)の一部を抜粋・編集したものです。

「やりがい搾取」された人が
年を重ねてから気づく現実

 仕事は辛いものだからこそお金をもらえます。なんのストレスもなく毎日幸せを感じられる仕事がもしこの世にあるなら、「無償でやります!」という人が殺到しているはずですよね。

 これは多くの若い人が陥りやすいワナで、自分が好きなことだとつい夢中になってしまうので、安い給料や長時間労働であっても「おかしい」と思えなくなってしまうのです。「みんながやりたい仕事」には応募が殺到するので給与が低水準でも会社は回ります。「文句があるなら辞めてください。代わりはいくらでもいますから」と経営者が強気でいられるからです。

 これがいわゆる「やりがい搾取」というヤツです。アニメーターなどがいい例かもしれません。

 最初のうちは「楽しいな」と言いながら不眠不休で働いていても、年を重ねるにつれて、体にガタはきているのに自分の生活レベルがまったく変わらないことに疑問を抱き、そこでようやく搾取され続けていたことに気づく人がいます。

 働いていた時間がムダだったとは言いませんが、定時で帰れるヒマな仕事をしながら、家で作品をつくり続けるような方法はなかったのかと思ってしまいます。

好きな仕事で成功できる人は
ほんの一握りしかいない

 自分が人生をかけて成し遂げたいことを「ライフワーク」といいます。食べていくためにしないといけないことは「ライスワーク」といいます。このライフワークとライスワークが一致していないと幸せになれないと考える人が多い気がします。

 ライフワークとライスワークを一緒にできるのは本当に一握りの人しかいません。

 たとえば僕のように倹約生活がまったく苦にならない人なら、好きな仕事だけを選ぶ生き方もできます。

 あるいは、起業家やフリーランスとして自分の好きなことをしていれば、ある日突然大金が転がってくる可能性もあります。

 夢の実現に邁進するスタートアップ経営者は「仕事をするために生きています」なんて真顔で言えますし、いつか自分の作品が認められることを目標にがんばっているアーティストも、きつい生活を我慢できます。

 世界で4億部以上売れている「ハリー・ポッター」シリーズの作者、J・K・ローリングさんはまったくヒットに恵まれず、27歳で生活保護と住宅手当を受けた末に30歳でハリー・ポッターの原稿を書き上げたそうですね。

 でも、普通、そこまでの覚悟は持てません。

 だとすれば、仕事は仕事と割り切って、「楽しくはないけどこれなら続けられそうだ」くらいの低い基準で、できるだけ効率的に稼げそうな仕事を選び、オフの時間を自分のライフワークにあてる生き方が一番無難ではないかと思っています。