就活でのお祈りメールや失恋など、日常は容赦なく私たちの心を折りにくる。しかし、「そうした毎日でも感謝の心を忘れてはいけない」と語るのは、ライフコーチとして活躍するスコット・アラン氏だ。同氏によると、感謝の心をはぐくむことで、他者からの拒絶や失敗を乗り越えられるという。その理由とは?※本稿は、スコット・アラン氏『GRATITUDE(グラティチュード)毎日を好転させる感謝の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。
自分の身に起こる全ての良い出来事に
人は感謝の習慣を作るべきだ
どのような試練にも効果的な解決策がある。それをひとつずつ紹介していこう。
ラルフ・ワルド・エマーソン(アメリカの思想家)
(1)拒絶に対する感謝
拒絶されると誰でもショックを受ける。不意打ちだった場合はとくにそうだ。もし長年の願いを打ち砕かれたら、きっと精神的に落ち込んでしまうだろう。
就職の面接で拒絶されようと、恋焦がれてきた人に拒絶されようと、どのような拒絶も耐えがたいことである。
当然、拒絶されたと感じると不満や怒りを抱くから、そういう状況で感謝することは至難のわざだ。しかし、そんなときこそ、あきらめずによりよい日々をめざして前進するために感謝の心をはぐくむ必要がある。
その方法を紹介しよう。
・拒絶されたことを認めて、その事実を紙に書く。
・自分の気持ちを確認し、苦しみを受け入れる。とはいえ、私たちは気分をよくするために苦しみを隠そうとすることがある。だが、それは益よりも害のほうが大きい。なぜなら苦しみから目をそむけると、それはさらに強まる傾向があるからだ。だからまず自分の心の傷を素直に認めよう。
・次に、その状況に隠されたポジティブな要素について考える。きっと自分の弱みに気づき、よりよい機会に備えるために改善するきっかけになる。たとえば、就職試験で拒絶されたなら、スキルを磨いて次回はより高収入の仕事に応募すればいい。
・また、拒絶されたことによって、より強い自分になり、あきらめずに前進を続ける方法についても考える。
・さらに、本当にほしいものを明確にする。たとえば、あなたは自分をふった女性を愛していなかったのかもしれない。それは単なる刹那的な願望によるものだった可能性がある。
・この先によいことが待っている可能性について考える。前進を続ければ、実際によい経験をすることができる。
・以上のポジティブな側面をすべて書きとめながら、その1つひとつに感謝をささげる。たとえば、「私はこの経験に感謝している」と唱えるなら、言葉のポジティブな波動を感じながら、それをはっきり意識して口に出そう。
拒絶されたときに感謝するには大きな勇気が必要だが、あなたはそれをすることができる。そのためには自分の中に秘められた力を発揮しさえすればいい。