そして彼らにさまざまな心理テストを行いました。比較対象となったのはUFOとコンタクトしたことのない一般の人々や学生でした。その結果、確かにUFO体験をする人々は、UFOの存在を信じていることが多いことがわかりました。
また、ロンドン大学のフレンチらは、UFO体験をする人は、UFOのみでなく、ESP(遠隔透視)やサイコキネシス(精神力でものを動かす)、死後の生存などを信じている傾向があり、また、自分自身が予知能力などの超能力をもっていると信じていたり、超自然的な体験をしていること、「着たつもりがない服を着ていることに気づく」などの不思議な体験をしていることを明らかにしています。
さらに、クランシーやマクナリーはエイリアンに誘拐された人を誘拐されていない統制群と比較した実験で、誘拐された人はさまざまな現象の原因を超自然的なものに求める魔術的な思考パターンをもっているということを示しています。
心理テストでわかった
「催眠感受性」との関係
では、エイリアン・アブダクションを報告する人は、催眠にかかりやすい人なのでしょうか。じつは、この問題を直接的に研究しているデータはあまり多くありません。
その中で、CUFOS(アランハイネックUFO研究センター)のマーク・ロデギアが報告したデータがあります。
彼は、CUFOSのエイリアン・アブダクション基準に適合した22人のアブダクティーについてさまざまな心理検査を行いました。彼らの平均年齢は38歳、平均的な学歴は大学教育2年以上でした。彼らの催眠感受性テストの成績は、25.2点で、これは一般の人々の平均20.8を大きく上回っていました。
またスパノスは、単なるUFO目撃と催眠のかかりやすさについて研究したデータを報告しています。この研究では、催眠のかかりやすさを測定するCURSSという催眠感受性についての心理テストを使って、UFO体験ありの者となしの者を比較しました。ところが、この研究では、催眠のかかりやすさはUFO体験とほとんど関係していませんでした。