越智啓太 著
第2のグループはエイリアン誘拐無記憶群で、身体に残った傷や睡眠中の麻痺などの経験から自分はエイリアンに誘拐されたのは間違いないと思っているが、具体的な記憶をもっていない、まだ想起できていないと思っている人々です。
そして第3のグループは統制群で、エイリアンによって誘拐されたなんてことはないと思っている人々です。
彼らに、DRMパラダイムの実験を行いました。実験では、「チョコレート」、「はちみつ」、「ケーキ」、「ハート」などを連想語として使用して、「甘い(sweet)」をルアー語(編集部注/連想される特定の言葉)とする材料などが用いられました。
この実験では、連想語の数の条件が設定され、連想語が3語、6語、9語、12語、15語の条件がつくられました。この実験の結果を図5-3に示します。
横軸は連想語の数、縦軸は、ルアー語の虚再生率と虚再認率を示します。連想語が多いほど虚再生、虚再認が多いという傾向も見られますが、重要なのは、エイリアン誘拐有記憶群と無記憶群の成績が統制群よりも高くなっていることです。
このことから、アブダクティーも、前世記憶を想起しやすい人と同様にソースモニタリング(編集部注/記憶がいつどこで得られたかという情報についての認識)が正確でないということが明らかになりました。