シリアのバッシャール・アサド前大統領は16日、反体制派により追放されて以降で初めてとなる声明を発表し、政権の最後の防衛線が崩壊するまで国内にとどまったものの、その後ロシアへ避難したと述べた。同氏の一族は50年以上に及ぶ残忍な支配を続けていた。アサド氏の声明はシリア大統領府が長年にわたり管理する複数のソーシャルメディアを通じて配信され、ロシア国営タス通信が報じた。国外へ逃げたと伝える報道への反論でもあり、出国が強制されるまで国内に踏みとどまったと主張する内容となっている。長年にわたりアサド氏の報道官を務めている人物や、その他の政府当局者らからは今のところコメントは得られていない。シリアでは長年にわたり内戦とこう着状態が続いた後、反体制派による電撃的な攻撃によってアサド政権は11日間で崩壊。反体制派は12月7日夜に首都ダマスカスに迫ったものの、アサド氏は予定されていた国民向けの演説を中止して姿を消していた。同氏の所在地は当初、閣僚らも把握していなかった。