小池支持を拒否した
首長は度胸がある

江本 保坂展人・世田谷区長をはじめ、署名に賛同しない首長も数人ですが、いましたね。

濵渦 小池は東京都知事という立場で各市区町村に地方交付税交付金を配る立場。その制度を使って首長を脅しているようなものですよ。拒否した首長たちは度胸がありますね。

 若狭弁護士も昔は小池の側近だったけれど、ちゃんと批判していますね。

 むしろ小池の側近だったからこそ、彼女の問題点がわかるのかもしれない。

 こういう立場を使った選挙運動は禁止されるべきもの。これを現職がやり始めたら選挙自体の正当性がなくなってしまいます。日本は中国や北朝鮮じゃないんですから。

 学歴詐称についてもそうだけれど、告発されても最高裁で判決が出るまでには、早くても5、6年かかる。小池は、おそらくそのころにはたいした問題になっていないと考えているんだ。とてもずるいことであり、彼女のそういう部分が、見える人には見えていると思いますよ。

江本 なかには絶対、気づいている人もいますよ。

濵渦 町の公務員だって公職選挙法は知っています。奥多摩町の職員さんたちが、「なんで僕らが知事の選挙に動員されないといけないんだ……」と思っていても、おかしくありませんよ。

江本 普段は来ないのに選挙のときだけ来るというのも露骨すぎますからね。

濵渦 それも公費で秘書やスタッフを連れて八丈島まで行くわけですから。

江本 いかに効率よく選挙活動をやるのかを考えて違法なことをやっているわけですね。

濵渦 そうそう。訴えられると思っていないんです。この8年で都議会でも正面切って反対する勢力はほとんどいないし、マスコミも彼女のことを持ち上げはしても、悪くは書かない。有権者をナメているわけです。

江本 議会に反小池の都議もいないんですよね。

濵渦 初当選のときに対立関係にあった自民党も、「都知事の権限なんてたいしたものじゃないから、いいや」とばかりに、おとなしくなっている。彼女にとっては都合のいいことばかりなんですよ。