石丸伸二Photo:SANKEI

さまざまな騒動が巻き起こった2024年の都知事選だったが、結果的には小池百合子氏の圧勝に終わった。かつて石原慎太郎氏の右腕として都を仕切っていた濵渦武生氏は、今回の都知事選をどう見たのか。中学の同級生で永田町でも同じ時を過ごした盟友、江本孟紀氏と語り合う。※本稿は、濵渦武生・江本孟紀『政治家ぶっちゃけ話「石原慎太郎の参謀」が語る、あのニュースの真相』(清談社Publico)の一部を抜粋・編集したものです。

蓮舫にマイナスに働いた
共産党の応援チラシ

――2024(令和6)年7月7日に行われた都知事選は現職で3期目を目指す小池百合子の圧勝に終わった。小池は291万8015票を獲得。2位で165万8363票の石丸伸二(前広島県安芸高田市長)、3位で128万3262票の蓮舫(元民進党代表)らに大きく差をつけた。

江本 濵渦さんは今回の都知事選の結果は、どう見ましたか。

濵渦 おもしろくなかったね(笑)。都知事選のような大型選挙はスタートでほぼ決まるんです。候補者の顔ぶれが確定して、どの団体が支援するかで、結果は見えているわけなんです。

 たとえば今回では小池を実質的に応援したのは自民党と公明党、都民ファーストの会の3党。

 この3党で都議の議席のどのくらいを占めているかといえば、3分の2ほどです。

 一方で、蓮舫を支援した立憲民主党と共産党の都議会の議席を合計しても定数の3分の1にも満たない。蓮舫自身に知名度はそれなりにありますが、基礎票が倍以上違うわけですから、この時点で勝負は決まっているんです。

 その差を乗り越えて勝つためには、まったく毛色が違うようなインパクトのある候補者が出ないといけません。

 それこそ江本さんのような、有権者が驚くようなインパクトの強い人ですよ。

江本 蓮舫さんが参議院議員を辞職して挑戦しました。最初は話題になりましたが、それほど票は伸びませんでしたね。

 早いうちから共産党と組んで戦っていて、共産党名で蓮舫さんを応援しているチラシが全戸に配布されましたが、あれもマイナス効果だったようですね。

都知事選は衆院選の予行演習
立憲・共産共闘を調査する格好の事例に

濵渦 ちょっと共産党が前面に出すぎでしたね。

 なぜ、そうなったかといえば、立憲民主党東京都連を仕切っている幹事長の手塚仁雄は、もともとあまり選挙に強くなくて、民主党が政権から転落して以来、ずっと浪人していたんです。

 でも、2017(平成29)年の衆院選のときに希望の党騒動のどさくさで立憲民主党が結党されると、共産党とも協力するようになり、比例復活でひさびさに国政復帰をしたんです。

 さらに、前回の2021(令和3)年の衆院選では小選挙区でも12年ぶりに勝利している。