多保 学 著
当法人では現在常勤歯科医師が18名(2024年度)ほどいます。では、この中にどれだけこのような難症例を治療できる歯科医師がいるでしょうか?
当法人では私を含めた専門医の数名のみです。さいたま市で見ても歯科医院の数はコンビニの数より多いです。見渡す限り歯科医院でいっぱいで、患者さんからすると歯科医院は選び放題に思うかもしれません。しかし、このような難症例に対応できる歯科医師が在籍する歯科医院は、間違いなくその中の約1%でしょう。
当法人の若手歯科医師に常に私が話をしていることは、「たとえ技術的に難しく自分が治療できなかったとしても、患者さんの治療の選択肢からは自分の治療できないオプションを排除しない」ことです。真の患者利益を考えた場合に、自分が施せない治療を、選択肢として外した状態で話すことが正しいでしょうか。自分の技術的に行えない治療は、「できる先生がやれば良い」というのが私の考え方です。
このように考えると難症例の場合、非常に高額な金額と治療期間がかかることがご理解いただけると思います。
生まれてすぐの赤ちゃんが歯科医院を訪れ、正しい検査をして親子ともに定期的に歯科医院に通うという習慣ができれば、虫歯予防や正しい成長発育のアドバイスを行うことができます。
もしこの子に歯科医院にいく習慣がなく、成人になり虫歯や歯周病に罹患した場合、その後の総医療費は莫大なものになる可能性があります。そのため、1000万円を超えるような医療費の節約になります。