ライバルを見つけよう
本研究のインタビュー調査から、ライバルと聞いただけで「ちょっと怖い」「なぜ必要なのかわからない」と感じる人が一定数いることが明らかになった。
本研究の質問票調査から、ライバルがいない多くの人は、ライバルの存在を「ストレスが増える」「自分を見失いそう」と思う傾向にあることがわかった。
本書は、そういった人たちにライバルを持つことを強要するものではない。
ライバルや競争といった概念に対し、読者の皆さんとともに一段上の視点から、理解と共有を得ようとするものだ。
だから、最後にもう一度だけ言う。
本研究によって得られた、もう1つの成果についてだ。
ライバルを持つ多くの人にとって、ライバルは怖い存在ではなかった。
むしろライバルは友であり、仲間であり、貴重な相談相手でもあった。
ライバルを持つ多くの人にとって、勝ち負けは大きな問題ではなかった。
むしろライバルは自分の成長を促してくれる指針であり、それを見守ってくれる同志であった。
あなたが主人公キャラかどうかは問題ではない。
自分に自信があるかどうかも関係ない。
誰もが能力を秘めている。
ライバルは、それを見つけに行く旅立ちのきっかけを与えてくれる。
そうして見つけたものが、あなただけの宝物であると気付かせてくれる。
そして、その宝物を磨く大切さを教えてくれる。
そのことを実感できるくらいになったとき、あなたの周りには、きっとあなたのことをライバルとして見ている人がいる。
そのときに感じる充実感や幸福感をぜひ体験してほしい。
ライバルとは一人ひとりが心の中に宿す偶像だ。誰にも奪い取ることはできない。
そして同時に、誰も与えることはできない。
つまりライバルを持つことは、自分にしかできない。
だから、自分からライバルを見つけよう。
候補は、必ずあなたの周りにいる。
もしかしたら、すぐ隣にいるかもしれない。
一度、ゆっくり観察してみてはいかがだろうか。
(本稿は、書籍『ライバルはいるか?』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です)
書籍『ライバルはいるか?』では、社会人1200人に行った調査や、世界中の論文や研究からわかった「競争」の認識が変わる様々な事実が掲載されています。本書を読めば、「競争」を力に変えて、「充実した人生」を手に入れられるでしょう!
★仕事の満足度が高まる★
★挑戦する勇気をもらえる★
★人生の停滞感を打破できる★
研究者が1200人を調査して解明。
知れば人生が変わる
「競争」の真実!!
誰かと競うことは本当に「悪」なのか?
1200人を徹底調査してわかった「意外な真実」!!
★ベストセラー『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』の著者、渾身作!!
現代では「みんな仲良く」が正義とされ、「競争」は徹底的に排除された。しかし、本当に競争は「悪」でしかないのだろうか?
そこで1200人を対象に調査を行い、世界中の研究や論文を調べたところ、驚くべき真実が見えてきた。
「競争」から逃げて、実力を秘めたままでいるか。
「競争」の力を借りて、実力以上を発揮するか。
賢く選ぶために知っておきたい真実を、この本でお伝えしよう。
第1章 ライバルは敵か、味方か―1200人調査で判明した意外な事実
たくさんいる人たちの中で、どこか気になる存在/ライバルは相反する感情をもたらす/1200人のライバル実態調査の結果から/ライバルはどこに現れる?/「幸福度」に関する驚きの調査結果……など
第2章 現代からライバルが消えた理由―こうして日本社会は競争を葬った
「競争相手」のいない世界/競争は、いつから「悪」になったのか?/「みんな仲良く」という時代の副作用/「無菌状態化」する日本企業の職場環境/競争がなくなったことで失われた光景……など
第3章 ライバルの真のイメージ—それは本当にネガティブな存在なのか
負けることは、恥ずかしいことなのか?/1151人が抱くライバルのイメージ/ライバルがいない人ほど、ライバルを「恐れる」/ライバルがもたらす、大切な「ある感情」……など
第4章 ライバルがいるから頑張れる―意欲と満足度に与えるプラスの影響
入社3年目の「社内マップ」/ライバル観の4つのタイプ/なぜ若手にとって「目標型ライバル」は重要なのか?/統計に表れた「ライバルの有用性」……など
第5章 ライバルこそがあなたを成長させる―競争の果てに得る4つの成長実感
スーパー技術者たちの戦い/なぜ勝者も敗者も、同じ感情を抱くのか/ライバルの有無と成長実感の関係/あの人がいなかったらここまで来れなかった……など
第6章 恋のライバルと戦う—敗北は人生に何をもたらすのか
人が恋に落ちる瞬間/エスカレーターの一段に無限の宇宙を感じる/「恋のライバル」という残酷な存在/4人の恋の結末……など
第7章 ライバルの効能を科学する—世界の研究が明らかにした成功との相関
25秒もタイムが縮まったランナー/膨大な先行研究から導き出した2つの有用性/「比較された従業員」が辿る、正の道と負の道/ライバルのいる人といない人、どちらの年収が上か……など
第8章 ライバル意識のダークサイド―敵対心という心の闇との向き合い方
アメリカで出会ったイケメンの友だちと天才/勝たなければいけないという気持ちが行きつく先/「勝利至上主義」の是非とライバルに対する敵意/「足を引っ張る」ことに喜びを感じる日本人/どんな人が現れても、揺さぶられない自分でありたい……など
第9章 自分という最強のライバル—勝者であり続ける人が戦っているもの
ライバル研究「最大の疑問」/「若くして頂点を極めると成長が止まる」は本当か/藤井聡太がダークサイドと決別した瞬間/364日は「過去の自分」の勝ち/過去の自分に勝つ方法……など
第10章 ライバルと手を組むとき―最高のチームが誕生する瞬間
真に「競争から協調へ」が実るとき/「チームの一員としてふさわしいか」というプレッシャー/この世界は個人戦でできている/自分にしかできない何かを見つけるために……など