誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになります!
※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
他人にイライラしてしまうのは
「心が狭い」からじゃない
今日は「他人にイライラしてしまう時にはどうすればいいか」というテーマでお話ししたいと思います。
部下や同僚、上司、あるいは家族の何気ない一言にイラッとしてしまい、「自分は心が狭いのかも」「包容力がないのかな」と考えてしまうことがありますよね。
でも実は、イライラしてしまうのは、「自分が疲れていて、脳が余分な情報をカットできなくなっている」可能性が高いのです。
なぜ疲れると他人の何気ない一言に
敏感になるのか?
人間の脳は普段、必要のない情報をスルーしてくれる仕組みがあります。
たとえば、時計の針の音や冷蔵庫の動作音など、背景にある雑音を意識しなくて済むのは、その情報を脳が「必要ない」と判断して、自動的にカットしているからです。
他人のちょっとした言動も、本来なら「関係ないな」と思えて、さほど気にならないはずですが、疲れている時にはこのカット機能が弱まってしまいます。
イライラを解消するには
自分を責める前に休むこと
そうなると、普段なら気にならない些細な言葉や行動がいちいち目についたり、許せなくなったりして、イライラが募るのです。
ところが、真面目な人ほど、「こんなことでイライラする自分はダメだ」「もっと優しくならなくちゃ」と考えてしまいがち。でも、本当はまず自分の疲れを取ることが先決なのです。
元気な時であれば、「この人はこういうものだよね」と受け流せていたことが、疲れがたまっていると意識に上がってしまい、イライラの原因になるというわけです。
他人にイライラした時は
「自分を労わる」ことから始めよう
ですから、他人にイライラする自分に気づいたら、「今、自分は疲れているのではないか」と振り返ってみてください。
しっかり休養をとり、ペースを落とし、ご飯を食べ、ちゃんと睡眠をとる。それだけで翌日にはケロッと忘れてしまうことも少なくありません。
そこに過度な「哲学的な理由」や「自分の心の狭さ」のせいにしてしまうと、余計に苦しくなるばかりです。まずは自分を労わること。それがイライラを解決する一番の近道かもしれません。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。