芸能人や著名な経営者にも「サウナ好き」を公言する方が増え、また身近なビジネスパーソンで、精力的に仕事をこなすトップエリートと呼ばれる男女がこぞってサウナに通っています。なぜ、仕事ができる人は、サウナにハマるのでしょうか?
サウナを初めて科学的エビデンスに基づいて解説した話題の書「医者が教えるサウナの教科書」(加藤容崇著)より、最新研究に基づいたサウナの脳と体に与える効果と、最高に「ととのう」ための入り方を、本書から抜粋して紹介していきます。
感情コントロールは必須のビジネススキル
思わず感情的になってしまい、後悔した経験がある人は多いと思います。不用意な言動は周囲との関係性を悪化させることになるので、仕事の効率を下げることにつながります。仕事をうまく回し、パフォーマンスを発揮するためには、感情のコントロールも巧みに行う必要があるでしょう。
実は、サウナに入ると、感情をコントロールしやすくなるというメリットもあります。イライラしていた気持ちが穏やかになったり、責任のある仕事を任されてナーバスになっていた心が落ち着いたり、ネガティブな感情が払しょくされたり。平和な気持ちになるというか、いつもの自分に戻るようなイメージです。
これは、α波が正常化し、リラックス効果が高まることに加え、自律神経がリセットされることも関係していると考えられます。
自律神経が鍛えられてメンタルが安定する
自律神経というのは、血流や臓器の働きを司っている人体の生体維持システムのようなものです。たとえば、暑い時に汗をかいて体温を調節したり、血管を拡張・収縮して血流をコントロールしたりしています。
自律神経は交感神経と副交感神経に分かれていて、基本的には相反する働きを担いながらバランスをとりあっています。交感神経は車にたとえるとアクセルのようなもので、心身を興奮状態にする働きがあります。
いっぽう、副交感神経はブレーキのようなもので、心身をリラックスさせる働きがあります。多忙なビジネスパーソンは、ストレスが多いため交感神経が優位な状態であることが多く、バランスが乱れがちです。
しかし、サウナに入って人体を危機的な状況に置くと、人体の生体維持システムである自律神経が刺激され、鍛えられていきます。それによって、日常生活においても交感神経、副交感神経の切り替えがスムーズに行われるようになり、体調が改善し、結果としてメンタルが安定しやすくなります。
*本記事は、「医者が教えるサウナの教科書」から、抜粋・編集したものです。