サウナの入り方に戸惑う初心者から、サウナ慣れしてととのいにくくなってきた熟練サウナーまで! それぞれに合わせた「究極にととのう」ための入り方を、自らもサウナーの医師が解説した書籍「医者が教える 究極にととのう サウナ大全」が発売に!日常のパフォーマンスをあげ、美と健康をレベルアップする「最高のサウナの入り方」を、世界各国のエビデンスを元に教えます。この連載では本書より、一部を抜粋してご紹介します。

怖すぎるサウナ依存症、医者が教える「5つのチェックリスト」photo:Adobe Stock

どんな人がサウナ依存症になるのか?

はじめに、あなたがサウナ依存症になる可能性をテストしてみましょう。今の気持ちに当てはまるものをチェックしてみてください。

□いつものサウナ室では物足りない。もっと熱いサウナ室へ行ってみたい
□限界までサウナ室で汗を流したい
□水風呂はグルシン(9℃以下)に限る!
□わざと羽衣を壊して、冷たさを満喫したい
□10セットくらいやってみたい

 どうでしたか? もし1つでも当てはまったら、あなたはサウナ依存症に片足を突っ込んでいる状態です。

 上記の質問で見ているのは、「あなたがサウナに刺激を求めすぎていないか」ということ。刺激を求めれば求めるほど依存度も高まり、立派なサウナ依存症ができ上がっていきます。

サウナ依存症になるメカニズム

 これまで説明してきた通り、サウナによって交感神経が活性化します。その間、心身を興奮状態に導くアドレナリンが分泌されます。アドレナリンはある程度はストックされていますが、一時的なものなのでたくさん出るとなくなります。

 そこで、一から生産することになるのですが、その原材料となるのがドーパミン(脳の快楽物質として知られており、依存性を生む)です。

 ドーパミンが過剰に作られるようになると、ドーパミンの効きが悪くなり、より多くのドーパミンが分泌されないと快楽を得られなくなります。

サウナ依存症が恐ろしい、本当の理由

 サウナ依存症になるとどうなるのか。毎日入れば解決するなら、それはそれでいいでしょう。

 ここで問題なのは、短絡的に過度の快楽を求めることにあります。

 いたずらに刺激を求めてアドレナリンを枯渇させ、過度にドーパミンを分泌させると、ドーパミンを放出させる神経細胞が怠け者になり、自然に放出するのをサボるようになります。

 ドーパミンは本来、何かを成し遂げて達成感を得られると分泌されます。そのため、ドーパミンの分泌量が正常で安定していれば、物事への意欲を維持しやすくなります。

 ところが、サウナ依存症に陥ると、自然に放出するのをさぼって、サウナで簡単に放出されるのを待つようになります。

 そうなると、日常生活においても意欲が低下し、サウナに入らないとイライラするようになります。

 仕事で成功してもドーパミンは出ません。誰かに褒められてもドーパミンは出ません。サウナに行ったときだけ、ドーパミンが出ます。怖くないですか?

 サウナ依存症を防ぐためには、本書で説明しているような、正しい入り方をすること。そして、チェック項目に挙げたような刺激を求める行為をしないことが大切です。

*本記事は、「医者が教える 究極にととのうサウナ大全」から抜粋・編集したものです。