プロジェクトが拓く未来
各部門別に伝える要点
新しいプロジェクトの価値と重要性を伝えるには?
A.経営陣向け
仮説と意図:経営陣は、ビジネスの戦略的意義や財務的インパクトを重視している可能性が高い。具体的な数値や予測効果を示すことで理解を得やすくなる。
メッセージ:「新しいプロジェクトXは、最新のAI技術を活用し、マーケットシェアを15%拡大することを目指しています。このプロジェクトにより、年間売上が20%増加し、競争力が大幅に向上する見込みです。さらに、全社的な戦略プライオリティである事業Yとも相乗効果が期待され、我が社が掲げている2030年ビジョンを一層推進してくれるはずです」
B.技術チーム向け
仮説と意図:技術チームは、具体的な技術スペックや作業の条件、実装方法等に関心を向ける可能性が高い。できるだけ詳細な情報を渡すことで理解を得やすくなる。
メッセージ:「プロジェクトXでは、最新のAI技術を実装します。特に、機械学習アルゴリズムを用いたデータ解析プラットフォームの構築が中心となります。この技術により、リアルタイムデータの処理能力が向上し、精度の高い予測モデルを開発できます。具体的には、TensorFlowとPyTorchを利用した開発を進める予定です。開発期間は半年、予算はX千万円です」
C.営業チーム向け
仮説と意図:営業チームは、顧客へのメリットや営業活動への影響に関心があるはず。顧客に語れる内容や営業数値へのインパクトを示すことで理解を得やすくなる。
メッセージ:「新しいプロジェクトXでは、最新のAI技術を活用して、お客様によりパーソナライズされたサービスを提供します。これにより従来のクレームの7割が解決され、顧客満足度が向上し、リピート率が増加します。また、販売プロセスの効率化により、営業成績の向上が期待されます」
伝える極意は共感力
相手視点で説得せよ
「なぜこのプロジェクトが重要なのか?」という問いについて、当然のことですが、その理由は相手によって異なります。
プロジェクト責任者であるあなた自身もその一面しか見えてない可能性があり、それゆえに、説明の際は相手を見極めながら切り口を慎重に選ぶ必要があります。アメリカのコミュニケーション専門家の間では「It’s not about what you want to say,it’s about what they want to hear.」(あなたが何を言いたいのかではなく、相手が何を聞きたいかだ)という教訓が決まり文句のように言われます。当然のことのように感じますが、普段のコミュニケーションにおいて、自分のメッセージ表現をどれだけ意識的・意図的にカスタマイズできているでしょうか?一度振り返ってみてください。