「頑張っているのに、結果がついてこない」「必死に仕事をしても締め切りに間に合わない」同僚は次々と仕事を片付け、成果を出し、上司にも信頼されているのに、「なんでこんなに差がつくんだ……」と自信を失ったとき、どうすればいいのでしょうか?
ビジネススキルを発信するTikTokのフォロワーが19万人を超え『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者である「にっしー社長」こと西原亮氏に教えてもらった「超優秀な人が秘かにしている仕事のコツ」を本記事で紹介します。
「はい」か「いいえ」で答えさせる
その場で意見を求められるような会議形態(例:ブレスト会議など)であれば、いきなり意見を求められても、全員がフラットに発言できるわけではありません。
では、どうすれば参加者は発言しやすくなるのでしょうか?
具体的な手法を解説します。
解決策:2択の回答を引き出し続ける
クローズドクエスチョン(「はい」/「いいえ」で答えられる質問)を多用することで、参加者がどんどん発言しやすくなります。
発言する回数が増えれば増えるほど、参加者の心理的安全性はどんどん高くなり、最終的に自分の意見を言えるようになります。
ここで具体的な問いかけの例として、NGとOKを比較しながら見てみましょう。
・NGな問いかけ例
「さきほどの新規施策の素案について、どう思いましたか?」
・OKな問いかけ例
「さきほどの新規施策の素案は、来期の売上に貢献しそうですか?」
NGとOKの大きな違いは、前述の通り「はい」か「いいえ」で答えられる質問になっているかどうかです。
NG例のように「どう思いましたか?」と聞かれると、次の疑問が参加者の頭の中で湧いてきます。
・いま、自分の意見を求められているのか?
・それとも「いいか、悪いか」を評価しなければいけないのか?
・どうと聞かれても、何を答えればいいかわからない
一方で、OKの例は「はい」か「いいえ」と答えられる明確な質問です。
参加者は「はい、売上貢献しそうです」か「いいえ、売上貢献しなそうです」の二択から選択をすればいいわけです。
ファシリテーターが、さらに次のように会議を進めると、参加者はより前向きに会議に取り組めます。
ファシリテーター(以下、F)「さきほどの新規施策の素案は、来期の売上に貢献しそうですか?」
参加者(以下、参)「はい、売上貢献しそうだと思いました」
F「取引先にも受け入れられそうですか?」
参「はい、取引先にも受け入れられそうです」
F「この施策はAさんも取り組んでみたいと思いますか?」
参「そうですね、ぜひスケジュールがきまったらやってみたいです」
クローズド・クエスチョンのやり取りを3往復することで、参加者は意見を3回も発言したことになります。
「はい」「いいえ」の回答を複数回積み重ねることで、参加者の発話数が増え、フラットに議論しやすい土壌ができるわけです。
オープン・クエスチョンを活用して本質的な議論に進む
そして、相手の発言がよりオープンになったタイミングで、初めてオープン・クエスチョン(5W1Hなど「はい/いいえ」では答えられない質問)を使い、本質的な議論に入りましょう。
F「来期の売上に貢献しそうと思った理由はなんですか?(WHY)」
参「今までの施策と違って、○○○という観点で……」
F「取引先に受け入れてもらうためには、どんなアクションが必要ですか?(HOW)」
参「新しい施策なので、施策リーフレットを作成し、お見せしながら取引先のメリットも交えて対面で説明すればいいと思います」
まとめ
・参加者がフラットに議論するには、発言回数を意図的に増やすことが必要。
・「何を回答すればいいのか」悩ませる質問はしない。
・「はい」か「いいえ」で答えられるクローズド・クエスチョンをする。
・発言回数が3回以上になったら、オープン・クエスチョンを投げかける。
参加者がフラットに議論できる場をつくるには、このように具体的な仕組みが必要なのです。
(本記事は『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の一部を抜粋・編集したものです)