メーカーの参入がもたらした変化
オートサロンの変遷を振り返る上でもう一つ重要なポイントは、21世紀に入ってからアフターパーツ系ショップが出展するイベントに自動車メーカーがブースを出展するようになったことです。かつて「改造車イベント」だった頃、自動車メーカーにとっては自社製品を違法改造したものが展示されているイベントを公認するわけにはいかなかったはずです。
しかし、時代の変化とともにイベント自体の性格も進化し、カスタマイズ(当時は「ドレスアップ」と呼ばれていました)が社会的に認知され、一般ユーザーの中にもカスタマイズを楽しみたいと考える人が増加。メーカー系列のモータースポーツブランドなどからカスタムパーツが販売されるようになったことで、自動車メーカーもその存在を無視できなくなったのです。
現在では新型モデルやコンセプトモデルのお披露目の場としても活用されており、日本のメーカーだけでなく、海外のメーカーも積極的にブースを出展しています。2025年は特に、BYDやヒョンデなどのEVメーカーの出展が目立ち、新型モデルの日本初公開も相次ぎました。