毎年1月第2週の週末に、千葉県の幕張メッセで開催される「東京オートサロン」。最高のエンターテインメントを求めて、文字通り世界中からクルマ好きが集まってくるイベントです。今年の東京オートサロンをレポートしながら、現在の東京オートサロンがどのようなイベントに進化しているのかを紹介します。(編集者・ライター AD高橋)
世界中のクルマ好きが幕張にやってくる3日間
1月10日(金)~12日(日)、千葉県の幕張メッセで開催された東京オートサロン2025。毎年1月第2週の週末に開催される本イベントは、クルマ好き――とりわけクルマを自分好みにカスタマイズして楽しむ人々にとって、1年でもっとも熱い3日間となっています。
東京オートサロンという名前を聞いても、カスタマイズに興味のない人は存在すら知らないかもしれませんし、名前を耳にしたことがある人でも「ああ、改造車のイベントでしょう」と眉をひそめるかもしれません。確かにその認識は間違いではありませんが、現在の東京オートサロンは、そうした人々が頭に思い浮かべる光景とは大きく異なっています。
なぜなら、クルマのカスタム文化は流行に敏感であると同時に、その時々の世相も色濃く反映する側面があるからです。そして開催期間中の3日間、幕張メッセは非日常に満ちあふれたワンダーランドへと姿を変えます。最高のエンターテインメントを求めて、文字通り世界中からクルマ好きが集まってきます。会場を歩いていると、あちこちから外国語での会話が聞こえてくるほどです。今年の東京オートサロンをレポートしながら、現在の東京オートサロンがどのようなイベントに進化しているのかをご紹介していきましょう。
進化し続けるカスタムカーの世界
東京オートサロンの歴史は古く、1983年にまで遡ります。当時は自動車メーカーが馬力競争を繰り広げていた時代で、数多くのチューニングショップがスポーツモデルを改造し、馬力や最高出力を競い合っていました。
そうしたカルチャーを紹介していた雑誌が『Option』でした。この雑誌の初代編集長がチューニングカーカルチャーを紹介するリアルイベント『東京エキサイティングカーショー』を開催。そして1987年から『東京オートサロン』へと名称を変更し、現在に至っています。