新NISAで、さらなる資産の成長を狙うならアクティブ投資信託に注目です。インデックス投資信託を大きく上回る利益も期待できます。全世界株型や米国株型のインデックス投資信託を持っている人は、補完として併せて持つのもオススメ。ただし、“いい投信”を選ぶことが条件です。『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った 買うべき株&投信77 2025年度版』から、日本株型の好成績アクティブ投信の例と、選ぶポイントを解説します。
インデックスを大きく上回るものも!
好成績のアクティブ投資信託に注目
新NISAへの投資で、“キホンの1本”としては全世界株型や米国株型のインデックス投資信託がオススメです*1。しかし、さらなる資産の成長を目指すなら、アクティブ投資信託も見逃せません。
インデックス投資信託は、市場の値動きを示す指数(インデックス)に連動し、成績は“市場平均(指数)並み”となります。これに対してアクティブ投資信託は、運用会社が独自に投資対象を選んで組み合わせ、“市場平均(指数)を超える”成果を目指します。インデックス投資信託を大きく上回る利益も期待できるのです。
アクティブ投資信託は、主に成長投資枠で買うことになります(つみたて投資枠の対象となっているものもありますが、本数はわずか)。つみたて投資枠でインデックス投資信託を買っている人は、成長投資枠で“上乗せ”としてアクティブ投資信託を買うのも手です。
ただし、“いい投信”を選ぶことが大切です。見るポイントは何より“成績”。アクティブ投資信託の成績は、投信ごとに大きな差があります。運用の方針や、運用を指図するファンドマネージャーの腕次第となるためです。日本株全般に投資するタイプで、好成績のアクティブ投資信託の一例を紹介しましょう。
「One割安日本株ファンド」はずっと好成績
“下がりにくさ”も優秀で安定的
「One割安日本株ファンド」は、その名のとおり割安な株を選別して投資するアクティブ投資信託。成績は1年・3年・5年のどの期間で見ても、TOPIXを大きく上回っています。5年の上昇率はTOPIXの87.9%に対して131.3%(2024年9月末時点)。文句なしの好成績です。
投資信託の成績をチェックする際は、3年、5年など、なるべく長期で見るのが基本。1年だけ好成績でも“まぐれ”の可能性があるからです。ただ、短期の成績を無視していいわけでもありません。長期で良く見えても、右肩下がりでは優秀とはいえないでしょう。どの期間で見ても好成績の投資信託が“いい投信”です。また“同じタイプのライバル投資信託に勝っているか”、そして“指数を上回っているか”も重要。そもそも“指数(市場平均)に勝つ”ことがアクティブ投資信託の意義です。
ちなみに、投資信託の成績は信託報酬などのコストを差し引いた後の数字。多少コストが高くても、それを補って余りある好成績なら問題ありません。後述するように市場環境の変化もあるため、“どんな時も好成績”というのは結構高いハードルです。しかし、その中でも上で挙げたように、良好な成績を維持している投資信託は存在します。一方で“ずっとダメ”なものも。どれを買うかで大きな差が付くのです。
さらに、“成績の安定性”も見たいところ。あまりにアップダウンが激しいと、安心して持つことができません。良好な成績を維持できているか、運用環境が厳しい時も下落を抑えられているかがポイントです。「One割安日本株ファンド」はこの点でも優秀で、最大下落率*2は日本株全般に投資するタイプの平均-15.2%に対し、-10.8%にとどまっています。
オルカンと組み合わせて補完するのに最適
運用スタイルでも分散を図るのが得策
投資信託には、投資する地域別でさまざまな種類があります。日本株型は為替の影響を受けにくく、「オルカン」など全世界株型や、米国株型の投資信託と併せて持つのに適します。全世界株型は内訳の約7割を米国株が占めており、日本株は5%程度しか組入れられていません。オルカンなどを持っている人は、それを補完し、分散と資産の上乗せを狙う“次の一手”として検討してみましょう。
また、日本株型の中でも運用スタイルはさまざまで、値動きの傾向が違います。市場環境によって、割安株や高配当株に有利な時、成長株や中小型株に有利な時といった、変化も生じます。運用スタイルも分散し、タイプの違う投資信託を組み合わせて持つのがオススメです。
*1 全世界株型については「オルカン」は安さでは2位! 最安の投資信託に乗替えるべき!? 新NISAで買える超低コストの全世界株型インデックス投信ランキングの記事を参照。米国株型については新NISAで買える米国株型インデックス投資信託の最新ランキングが激変! 低コスト1位の投信は買い?の記事を参照。
*2 最大下落率は、過去5年間のうちどこかの時点で1年間保有した場合の数値(月次ベース、2024年9月末時点)。
※本稿は、ダイヤモンド・ザイ編集部編『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った 新NISAで買うべき株&投信77 2025年度版』(ダイヤモンド社)から再構成したものです。