「世界一美しいビーチ」
行ってみると誰もいない…

 衝撃的な光景を後に、気を取り直してビーチに行ってみた。シアヌークビルの中心地から歩いて10分程度で到着。入り口には英語で「世界で一番美しいビーチ」と書かれている。しかし、その標語とは裏腹に、観光客がほとんど見当たらない。

 ずらりと並んだレストランに目をやると、中国人観光客を当てこんでか、店のメニューは全て中国語で書かれている。海鮮バーベキューの店に入り、家族連れの中国人観光客に話しかけてみた。中国の広東省から来たといい、プノンペンからシアヌークビル、そして世界遺産のアンコールワットがあるシェムリアップに抜けるルートで旅行しているという。

「噂には聞いていたけど、これほど寂れていると思わなかったな。明日の朝、ここから船に乗って、ビーチが有名な近くのロン島に行くまでの時間潰しでシアヌークビル市内にいるだけだ。白人の観光客たちは早々にロン島に行ったけど、俺たちもそうすりゃよかった。昨晩カジノに行ったけど、客はほとんどいなかったよ。どこが第二のマカオなんだろうね」。(中国人男性観光客)

 彼らと別れてからビーチ付近を散策したが人はまばらで、付近の目抜き通りにも廃虚が点在するなど、もはや観光地とはいえない惨状だった。

閑散としている「世界一美しいビーチ」。廃墟に囲まれている閑散としている「世界一美しいビーチ」。廃虚が見えて雰囲気は台無し Photo by E.T.
ビーチは全くのガラガラ。メインターゲットの中国人観光客がこないビーチは全くのガラガラ。メインターゲットの中国人観光客がいない Photo by E.T.
ビーチの飲食店はガラガラビーチの飲食店も閑古鳥が鳴いていた Photo by E.T.