「失敗した」――。フジテレビ港浩一社長は1月23日に行われた同社社員向けの説明会で、6日前の記者会見をこう振り返ったという。タレントの中居正広さんと女性とのトラブルにフジテレビ社員が関与したと報じられた問題で、フジテレビが窮地に陥っている。こうした中、同社は第三者委員会の設置を公表。27日には“オープンな会見”を行う予定だが、起死回生につながるのか。これまでの対応の問題点と、今後のシナリオについて、広報の専門家で元テレビ局員の下矢一良氏が語る。(構成/ダイヤモンド・ライフ編集部)
初手を間違えたフジテレビ
情報戦では文春に“完敗”
1月23日、フジテレビと親会社のフジ・メディア・ホールディングスは、一連の報道を巡って第三者委員会の設置を決定しました。
今のところ、フジテレビは週刊文春との情報戦で完敗している、というのが正直な感想です。
記者会見の失敗はすでに多く語られていますが、フジテレビはこの問題の“初手”でもミスを犯していました。
2024年12月、週刊文春が「中居正広氏のトラブル」について報じました。ここで社員の関与が指摘されたわけですが、フジテレビはすぐさま「当該社員は会の設定を含め一切関与しておりません」と報道を否定しています。
ただ、週刊文春としてはフジテレビが否定してくることはもちろん想定していたはずです。その上で、その後の攻め筋、“勝算”が見えていたといえるのではないでしょうか。