公務員公務員に求められる人材とは? Photo:PIXTA

新卒採用において、企業はどのような人材を求め、どの事業に注力しているのか。本連載では、各業界をリードする企業がどのような採用戦略を打ち出しているのか分析し、今後の動向を探る。第8回では「公務員」を取り上げ、業界の専門家に最新のトレンドや企業が求める人材像を聞いた。(ダイヤモンド・ライフ編集部 大根田康介)

進む働き方改革
少しずつ変化も

 昨今の傾向として、公務員試験の日程が前倒しされ、民間企業と同様に「早期選考」が加速している。その背景には、公務員人気の低下があり、民間企業との競争の中で受験者の確保が困難になっている状況がある。

 例えば、国家公務員総合職の2024年度試験は、22年度と比べて合格発表が1カ月近く早まった。また、国税専門官、財務専門官などの国家公務員専門職の試験も同様に前倒しされている。

 公務員と民間企業の併願も増えており、学生が民間企業に流れる傾向は強まっている。

 特に国家公務員については、国会答弁の資料作成が深夜になるといったブラック企業的な側面が報じられることも、志望者減少の一因となっているようだ。そのため、公務員の働き方改革が急務となっており、1週間の総労働時間の維持を条件にした週休3日制などの制度整備を進めている。

 一方で、基本的に公務員に一度就職すると、セカンドキャリアを選ぶ人は少なく、ほぼ定年まで勤め上げる。つまり、転職が少なく、金融や物流などのように劇的に変わるような業界ではない。

 しかし、IT関連のノウハウが重宝されたり、新規プロジェクトに外部の民間人材を活用したりと、少しずつ変化も出てきた。今後は、その変化に応じた人材が必要とされるだろう。