人材のイメージ総合商社で求められる人材像とは? Photo:PIXTA

新卒採用において、企業はどのような人材を求め、どの事業に注力しているのか。本連載では、各業界をリードする企業がどのような採用戦略を打ち出しているのか分析し、今後の動向を探る。第4回では「総合商社」を取り上げ、業界の専門家に最新のトレンドや企業が求める人材像を聞いた。(ダイヤモンド・ライフ編集部 大根田康介)

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総合商社で進む組織改編
キーワードは「協業」

 2024年4月、5大総合商社の三菱商事と住友商事が大規模な組織改編を実施した。

 例えば三菱商事は、それまで「営業10グループ+2部門」だった体制を「営業8グループ」に変更。既存の金属資源、モビリティ、食品産業、電力ソリューションの4グループに加え、地球環境エネルギー、マテリアルソリューション、社会インフラ、S.L.C.(Smart-Life Creation)の4グループを新設した。

 また住友商事は、事業戦略単位で組織を再編する「ストラテジック・ビジネス・ユニット」(SBU)体制を導入した。

 こうした動きについて、商社の就活事情に詳しいTHE BEYOND創業者の佐野智弘氏は「従来の商品軸・業界軸の縦割り組織から、事業戦略やテーマに基づいた組織への再編を進めている。複雑化する社会課題に対応するために、より柔軟かつ迅速な意思決定を可能にすることを目的としている」と分析する。

 次ページからは総合商社の構造や仕事内容、そして採用状況を再確認し、各企業がどのような人材を求めているのかを探る。また、この業界への就職希望者が企業で活躍し、成長していくために必要な準備や、面接で重視されるポイント、注目すべき資質についても解説する。