口コミとネットワーク効果も、PLG成功に重要な役割を果たします。Dropboxは友人招待によってストレージ容量が増える仕組みを取り入れ、既存ユーザーが自然に新規ユーザーを呼び込む環境を作り出しました。また、SlackやZoomのようなコミュニケーションツールでは、利用者が増えるほど情報共有や連携がスムーズになり、プロダクトの価値自体が向上していきます。この相乗効果により、さらなるユーザー獲得と成長が促進されるのです。
フリーミアムは、基本機能だけでも価値を感じやすく、幅広いユーザー層に向けて利用拡大の可能性が高いプロダクトに適しています。一方、フリートライアルは、高価で複雑な機能を持つ製品や、購入の意思決定に複数の関係者が必要なプロダクトに向いています。
これらの手法は、それぞれが単独で機能するだけでなく、組み合わせることで、さらに強力な効果を発揮します。たとえば、フリーミアムで利用を広げたユーザーがフリートライアルを試し、口コミを通じてさらに新規ユーザーを引き込む、といった相乗効果です。
「プロダクト力」を構成する3つの要素が
PLGの成功を決定づける理由
PLGの成功は、ひとえに「プロダクト力」にかかっています。ここでいうプロダクト力とは、単なる製品品質の高さだけでなく、ユーザーが直感的に使いやすく、その価値が伝わりやすいプロダクトを作り上げる力を指します。PLGでは、営業チームが契約を主導する従来型のSLGとは異なり、プロダクトそのものが価値を証明し、顧客を引きつけなければなりません。
PLGにおけるプロダクト力は、主に3つの要素から成り立ちます。
1つ目は「直感的な使いやすさ」。PLGでは、プロダクトが最初にユーザーに与える印象は非常に重要で、複雑な手順なしですぐに使い始められる直感的なデザインが求められます。例えばSlackは、初めてのユーザーでもすぐに使いこなせるよう、シンプルでわかりやすいインターフェースを提供することで、自然な形での導入拡大を実現しています。