スマートフォンやパソコンからの通知は現代社会に欠かせないものとなった一方で、仕事の生産性を大きく低下させる要因にもなっている。マイクロソフトやグーグルでエンジニアとして活躍し、複数の企業で技術顧問を務める及川卓也氏が、通知管理の重要性について解説。通知との付き合い方や具体的な管理方法を紹介する。
スマートウォッチ買い替えで知った
通知との向き合い方
現代社会において、スマートフォンやパソコンからの通知は、もはや生活の一部となっています。仕事、プライベートを問わず、常に通知に追われている人も多いのではないでしょうか。しかし、通知は便利である一方、集中力を妨げ、生産性を低下させる要因にもなり得ます。
最近、私は普段使いのスマートウォッチを、Google Pixel WatchからGarmin製に買い替えました。Pixel Watchは多機能で便利でしたがバッテリーの持ちが1日と短く、登山を趣味としている私にとっては長時間のアウトドア活動に不向きな点が問題だったのです。一方、Garminの登山用スマートウォッチはバッテリーが28日間持ち、ソーラー充電にも対応しているため、アウトドアでも安心して使用できます。
買い換えの際、気になったのはPixel Watchに比べて機能が不足するのではないかという点でした。しかし実際に使ってみると、特に登山やアウトドアでの利用においては、Garminのアクティビティトラッキングの精度やデータの細かさは、Pixel Watch以上に満足できるものでした。また、Garminのウォッチとアプリでは豊富なヘルスデータを管理でき、日常の健康管理にも大いに役立っています。
さらに、私はスマホをポケットに入れた状態でスマートウォッチを使うことが多いため、手首の上ではスマホからの通知さえ確認できれば十分だと分かりました。操作自体はスマートウォッチ上ではなく、ほとんどスマホで行っているからです。
むしろ、頻繁に届く通知が集中力を妨げる要因になっていることにも気づかされました。仕事中に次々と通知が届くとどうしても気になってしまい、作業が中断されてしまいます。通知による割り込みは、仕事の効率を下げ、生産性を大きく損なうのだと改めて認識しました。