数万人の支持者が求める目標
イギリスから非白人を排除

 ホワイト・ライブズ・マターのチャンネルを通じて、わたしはイギリスで最も目立つプロパガンディストに直に接触することができた。マーク・コレット。イギリス最大の白人ナショナリスト運動、パトリオティック・オルタナティブの創立者だ。2019年に誕生すると、この組織は国じゅうに地域的な分派をつくり、数百人の活動家と数万人のフォロワーを獲得している。イギリスから非白人をすべて排除するというのが公然たる目標だ。

 父親で、愛国者を自称する41歳のマークは、イングランド中部の州レスターシャーで育った。かつては極右政党であるイギリス国民党(BNP)の広報部長、それから党青年団の団長も務めていた。2002年には、エイズを「黒人や薬物使用者やゲイがかかるから好都合な病気」と言って早くも悪評を轟かせた。2020年には「世界の先住民の国際デー」に合わせてホワイト・ライブズ・マターの世界的キャンペーンを主催した。

「世間は僕のことを明らかに誤解している」マークは開口一番にそう言う。穏やかな口調。わたしにこれから話すことを思えば、やけに落ち着いた声だ。マークが会話しているわたしは、クレア・ラフィーユ。白人ナショナリスト運動に共感するフランス系イギリス人で言論の自由の闘士、そして物議をかもすテーマのポッドキャスト番組をこれから立ち上げようとする市民ジャーナリストだ。マークが言うことすべてにクレアは同意しているかって?それはノーだ。でも一対一で話すかぎり、彼女にとくに他意はなく信用できそうに思えるはずだ。

ブラック・ライブズ・マターは
白人を二級市民に貶める暴動

「最初に連想ゲームをしてみませんか?」と言いながら、内心びくびくする。声が震えていないだろうか。それから続ける。

「ブラック・ライブズ・マターとは?」

 瞬時にマークが答える。「西側諸国を破壊し、白人を嫌われる二級市民に貶めるためのコミュニストの暴動だ」