ホワイト・ライブズ・マターに加わってまもなく、わたしを含めた新入りは、「白人支持の活動」に日頃からオンラインとオフラインの両方で取り組むよう管理人たちに発破をかけられる。

我らは「白人意識」が復活されることを求めている。2021年に我らの仲間になるには、最低でも毎月2時間は他の白人支持者と会合を持ち、兄弟の闘いに加わることだ。身体障害を持つ場合は、オンラインでこれに参加できる。プラカードはつくれなくても、ステッカーをプリントアウトすることならできるだろう。行進に参加できなくても、家族や友人に『ヨーロッパ――最後の戦い』(2017年公開のネオナチのプロパガンダ映画)を観るよう勧めることはできる。

 次に公式メンバー用のマニュアルを受けとる。彼らのオープンセキュリティの手引きには、オンラインとオフラインでコミュニケーションをとるうえでの助言もある。「我々はできるかぎりのことをして君たちの安全を保証する。この反白人化が進む世界で君たちには以下のルールを守ってほしい」

オンラインでは
・ログのない高評価のVPN(仮装プライベートネットワーク)を使うこと。
・個人と結びつかないオルト/アノン用の電話番号を使うこと。
・アプリのアクセス許可と位置情報の設定をオフにしておくこと。
・自分の本名、電話番号、居住地、オンラインで作業する場所を決して使用・公開してはならない。
オフラインでは
・服装――目出し帽風のマスク、サングラス、帽子、身元を特定できない服装。
・身体改造――タトゥーを隠し、特定されそうなピアスははずす。
・自分の考えや政治的立場をいつ誰に教えるか慎重に判断する。必要のないことは何も言わないこと。鉤十字とかグローワー[変装した連邦捜査官]が身につけるようなものは着用しない。
・つねに自分や他者を守る備えをしておくこと。できれば武器を携帯するのが望ましい。だがときにはナイフや催涙スプレー、テーザー銃などで妥協せざるをえないこともあるだろう……つねに選択肢を用意しておくこと。

 この入門マニュアルは戦術や安全対策を説明するだけではない。新人に「白人のジェノサイド」や「白人の交代」についてメディアの取材やキャンペーンでどう語るべきか具体的な指示も与えている。話すべき重要なこととはこうだ。「現在、白人は世界人口の8パーセントしかいない。アメリカの白人は非白人により殺されたり攻撃されたりする確率が、その逆の場合より45倍から200倍も高い」