2024年度税制改正大綱における
子育て世帯・若者夫婦世帯に対する控除とは
住宅ローン減税における「子育て世帯・若者夫婦世帯に対する控除」とは、「19歳未満の子を有する世帯」または「夫婦のいずれかが40歳未満の世帯」が対象となる優遇措置である。若い世代がマイホームを購入できるように支援するもので、2025年入居分までの控除限度額(借入限度額)については、2024年度税制改正大綱において以下のように定められた。
上記図のように、2024年までは子育て・若者夫婦世帯は住宅ローン減税のメリットが大きいものであった。加えて2024年度には床面積の要件が50m2から40m2に緩和されており、都市部のマンション購入時にも恩恵が大きくなる変更が行われた。(ただし、床面積緩和の条件は控除を受ける年において合計所得が1000万円以下の世帯に限定)
2025年度税制改正大綱でも
住宅ローン減税は維持
2025年度税制改正大綱でも、2024年度で改正された住宅ローン減税は「維持」されることが決定した。子育て・若者夫婦世帯の控除拡充は令和6年中入居とされていたが、1年延長されるため据え置きである。
床面積緩和についても同様に1年延長となり、憧れのマイホームを買う機会は前年同様に維持された。また、既存住宅に対して子育てに対応したリフォームを行なった場合、標準的な工事費用相当額の10%を所得税から控除できる。子育てしやすいようにリフォームするなら今がチャンスだ。
住宅ローン減税の維持は、不動産団体が要望を重ねていた。2025年度税制改正大綱の発表を受け、不動産協会理事長の吉田淳一氏は「住宅価格の上昇や物価高騰等の影響により子育て世帯等の住宅取得環境が極めて厳しい状況にある中、住宅取得に係る負担を軽減し、若い世代に安心と将来に対する希望を与えるとともに、経済波及効果の高い住宅投資を活性化させる措置が講じられたものと、評価している」とコメントしている。
子育て・若者夫婦世帯は
買うなら今でしょ?
マイホームは決して安い買い物ではない。特に子育て中や若者世帯の方にとっては、頭を悩ませる課題であろう。では、2025年における住宅ローン金利はどのような動きを見せるのだろうか。金融関係者の間では、日銀の金融政策の変更もあり、金利上昇が見込まれている。
ただし、今年1月20日、アメリカではトランプ政権が発足したこともあり、住宅ローンを取り巻く現状は不透明である。参考までに日銀が1月24日開いた金融政策決定会合では、政策金利を0.5%程度引き上げることが決定した。政策金利が0.5%となるのは、約17年ぶりであり、今後住宅ローンの金利も上がる見通しである。
住宅ローン減税は毎年2000万円を超える所得者は引き続き恩恵がないため、本制度に左右されることなく、自身の収入を基に計算して住まいの購入タイミングをはかるべきだ。子育て支援がいつまで維持されるかわからないため、40歳未満の配偶者、19歳未満の子どもがいる場合は今が買いだ。