近年、日本には不動産バブルが到来している。加えてマイナス金利の解除も決定し、「家を買おうと思っていたけど、今はタイミングじゃないのでは?」と不安に感じている人も多いのではないだろうか。
そんな住宅購入を不安に感じる人の悩みを解決するために住宅購入の思考法』が発刊された。本記事では、著者の江口亮介氏のインタビューをお届けする。

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家を買う直前で悩む人は多い

――家選びが大詰めになった段階で「本当にこの家を買っていいの?」と不安になる人が多いと聞きました。実際どうなのでしょうか

江口亮介(以下、江口):たしかに、一定数そういった方はいらっしゃいます。決まりかけた家に対して「本当にこれでいいのか?」と思う現象を私は『不動産マリッジブルー』と読んでいます。

 不動産マリッジブルーが起きる原因は、ロジカルさが欠けているからです。

――どういうことでしょうか

江口:住宅購入は経済合理性や正しさだけで買うものではもちろんありません。人間としての心情的な側面も大切でしょう。

 ただ、家を決めていく段階では論理的に考えていく必要があります。

 たとえば、いい環境で子育てをするために家を買うのであれば、郊外も視野に入ってきますよね。もしそれを都心だけで探していたらどうでしょう。あとになって「本当に子育てにあっているのか? もっといいところがあるのでは?」と思うはずです。

 いろいろ見たうえで、都心を選ぶのであれば問題ないですが、そうでないのなら不安に思うのも仕方ないでしょう。

 ですから、家選びは「家がほしい理由」を基準に、物件や条件を照らし合わせていくことが大切なのです。

――たしかに、明確な判断軸がないから不安に思うというのはありますよね

江口:おっしゃる通りです。判断軸さえ明確であれば、不安に思うこともなくなりますし、同時にいい物件を見つけたときもスムーズに動けます。

「悩んでしまって動けない」、「家を買う直前で尻込みしてしまう」という人は「家がほしい」という思いはあるのもの、その理由が明確ではないと言えるでしょう。