受けやすい倍率が並ぶF・Gランク
ここからは3日午前のFランクを取り上げよう。やはり女子校から。76人が受けて2.71倍(2023年2.06倍、22年2.23倍)の江戸川女子[一般4科3回]は、志望者数では1割半増だったが、出願状況は一転して3割減に近いペースで落ちている。この状態が続くと、25年は2倍強程度まで緩和することになる。
桐光学園(女子部)には二つの入試区分がある。67人で1.68倍(23年2.05倍、22年1.52倍)の[3回A]は、微減だった志望者数から、出願状況は2割半減のペースとなり、25年は1倍台前半まで緩和するかもしれない。11人で1.1倍(23年・22年1.6倍)の[3回B(英語資格、T&M)]は1割強減の志望者数だったのだが、出願状況は一転して9割近い増加ペースに。女子の行方は分からないものである。25年は1倍台半ばを上回る可能性が出てきた。
共学校は大学系列が多い。いずれも受験者数が50人以下のため、入試回(24年受験者数・実倍率)で示す。東海大学付属高輪台[2回](50人・7.14倍)は23年4.38倍から跳ね上がり、志望者数は2割半増と続伸しており、25年は8倍を超えることになりそうだ。日本大学第三[3回](38人・3.17倍)も3割弱増と好調で、出願も2割増ペースとなっており、25年は3倍台半ばを目指す。24年6.5倍から大きく落とした日本工業大学駒場[5回](24人・3倍)も2割増で、25年には4倍まではいかないものの上積みしそうだ。22年3.86倍、23年2.45倍と、緩和傾向の東海大学付属相模[B](18人・1.2倍)は3割半増と復調気味で、1倍台半ば程度には戻しそうだ。
聖徳学園[特別奨学生2/3](4人・1.33倍)は、23年2.5倍から半減したが、志望者数は2割半減で、25年はとても受けやすくて受かりやすい狙い目の入試回になるだろう。問題は何人が受験するかにあるのだが。新設されたサレジアン国際学園世田谷[4回MEDICO(特待生)]は算理の2科入試で、20人の募集に対してすでに4倍以上の出願がある。何人合格者を出すかによるが、人気入試回となりそうだ。
Gランクは志望者数合計も24年受験者数も100人以上の学校はないので、50人以上受験生がいた入試回と勢いを感じさせるものを取り上げたい。94人で1.52倍(23年2倍、22年1.22倍)の玉川聖学院[3回]は、志望者数が実に2.2倍増だった。2科・4科で30人を募集する。出願者数はすでに100人を超えており、どこまで伸びるか。25年の倍率は予想しづらい。
55人で1.45倍(23年1.56倍、22年1.14倍)の麹町学園女子[2月3日午前一般]は、志望者数1割半増だった。25年も1倍台半ば程度の受けやすい入試回となるだろう。42人で2倍(23年1.43倍、22年2倍)の文化学園大学杉並[5回]は5割増とさらに勢いを感じさせる。入試回数が多いため、それ以前にどれだけの合格者を出したかにも左右されそうだが、25年に3倍を超える可能性はある。
71人で7.1倍(2年9倍、22年6.86倍)の広尾学園[インターナショナルAG]は偏差値のつかないHランクだ。AGとはアドバンストグループで、帰国生など英語力のある生徒を対象としている隠れた人気入試である。志望者数は7割増と絶好調だったが、出願状況は前年並みのペースとなっている。積み増しがなければ、25年も7倍台となりそうだ。