リアル地面師は淘汰されて、ネットで素人から薄く広く掠める詐欺が流行?25年不動産市況をズバリ予測!【不動産業界インサイダー地下座談会5】Photo:Connect Images/gettyimages

ドラマ「地面師たち」で注目された不動産詐欺、実は今は別のトレンドがあるらしく?金利上昇や円安が加速するなか、2025年の不動産市況はどうなるのか。不動産インサイダー座談会の最終回をお届けしよう。(聞き手/ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)

座談会参加者●全宅ツイオールスターズ
はとようすけ @jounetu2sen 宅地建物取引士(2025年結婚予定)
のらえもん @Tokyo_of_tokyo 湾岸タワマンアナリスト
かずお君 @Kazuo57 3坪の飲み屋から千坪の老人ホームまで作る有活ブローカー
デベマン 新築マンションを建てて売る側の人
全宅ツイのグル @emoyno 都心の不動産を中心に扱うブローカー
あくのふどうさん @yellowsheep 渋谷の不動産ブローカー
とっくさんX @tokusenjouhou20 オフィスリーシングとテナント退去を阻止する管理業務に従事
アンニュイ 陰湿系不動産ファンド業界人
どエンド君 @mikumo_hk 専業の不動産投資家(大家さん)

リアル「ハリソン山中」はむしろ減ってる
素人から薄く広くぶっこ抜くのが今のトレンド

――24年は、個人不動産投資家界隈(かいわい)はどんな感じだったんですか?

どエンド君(どエンド):大家さん界隈は、超高級タワマン買ってる富裕層と、民泊やってる人ばかり元気で、普通のアパート大家さんはやることのない一年でしたね。超高級タワマン投資は、もうぼくの食べ物じゃない感じです…住宅ローン以外で数億円のローンを引けるか、現金で買うことができる富裕層たちの戦い。タワマン投資家すごいですよね。「家賃みたいな小銭を拾うな!」ってインカム目的でアパート買ってると怒られますもん。

──不動産投資といえば、2024年はNetflixドラマの「地面師たち」が大ブレークしましたが、ああいう話って増えてます?

あくのふどうさん(あくの):いや、どんどんいなくなってます。情報が以前よりも透明化してるし。

どエンド:そういえば、東照地所っていう某大手不動産投資家ポータルの常連企業が、手付金をいろんな投資家から集めまくって返却せずにそのまま倒産したね。

あくの:そう、地面師より、その手の「薄く広くぶっこ抜く」やつが増えました。デジタルトランスフォーメーション(DX)ですね!結局、今は人手不足時代なので地面師のアナログな手口を伝承できないんですよ。

アンニュイ(アン):疑心暗鬼の金持ちだますより、何も考えてない貧乏人から少しずつ抜く方が簡単な時代なんですかね。

あくの:あと「出資は集めたけどできませんでした、ごめんなさい!」っていうのは詐欺にならないだろうし。そういうプロジェクトも本人は完成させる気だったりするから。

どエンド:完成させるつもりだったなら仕方ない。

とっくさんX(とっく):完成させるつもりがあるというのはとてもいいです。実行させるつもりもなくお金だけ集めた会社より全然いい。

あくの:それと、不動産クラウドファンディングが増えましたね。道路の掘削承諾とって売却するみたいな、すごいニッチなプランでお金集めてて。そんなマイクロなリスク、いちいち買う人が判断できると思えないんだけど、何度募集しても一瞬で資金が集まってますね。小さすぎて事故起きても、多少の損ならスルーできるのかな。

――でもみんな、不動産に夢見がちだよな。もうかるって信じている素人はたくさんいる。実際の利回りは小さくても、どうしてみんなそこに突っ込んでいくのだろうか。25年の実需不動産、オフィス市況、不動産市況の予測も含めて見ていきましょう。