「現状に感じている孤独感がやわらぐ、考え方があります」
そう語るのは、著書『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』がベストセラーになるなど、メディアにも多数出演する金間大介さん。金沢大学の教授であり、モチベーション研究を専門とし、その知見を活かして企業支援もおこなっています。
その金間さんの新作が『ライバルはいるか?』です。社会人1200人に調査を行い、世界中の論文や研究を調べ、「誰かと競う」ことが人生にもたらす影響を解き明かしました。挑戦する勇気を得られる内容に、「これは名著だ!」「人生のモヤモヤが晴れた!」との声が多数寄せられています。この記事では、本書より一部を抜粋・編集して、「孤独感がなくなる考え方」を紹介します。

【孤独を感じたら】「たった一人で頑張っている」という孤独感が一瞬で消える考え方・ベスト1Photo: Adobe Stock

活躍する人はみな「孤独感」を抱えていた

 本インタビューで、実績のある人たちが共通して持つ感覚があることがわかった。
 それが孤独感だ。

 戦うときはひとり。
 結局大事なことは、ひとりの「個」がどうするか。

 こうした感覚を、実績のある人たち──職業は技術者や経営者、元水泳選手、お笑い芸人など様々──は共通して持つ。

孤独な鼓舞してくれる「たった一人の存在」

 本章のテーマは「優勝者にライバルはいるのか」であり、対象となるターゲットは「勝ち抜いた人たち」だった。

 彼らの多くに「ライバルはいるか」と問うと、「かつていた」と答える。
 そして「戦うときはひとり」と言う。

 この「ひとり」という感覚は、「今」という空間軸に依拠している。
 孤独感は「今」持っている感覚だからだ。 

 だが、これを時間軸で考えたとき、彼らはひとりではない。
 思い描く未来の中に「もうひとりの自分」がいて、その自分が今の自分を呼び寄せる。

「未来の自分」が待っている

 強い孤独感の中、それでも血を沸き立たせる存在、それが、もうひとりのゴーストである「未来の自分」だ。

 早くここまで来い。

 未来に描く「自分」が、そう語りかけてくる。

 そして未来の自分の周りには、多くの人がいる。
 今の自分の行動は、その周りの人たちにも影響を与える。

 そう感じるとき、今の自分の行動は、自分だけのものではなくなる。
 今を乗り越えた先に、より幸福な未来の自分がいる。

 そのために今、頑張っている。

 そう考えることができたら、たとえ孤独な挑戦の最中であっても、「一人じゃない」と感じることができるだろう。

(本稿は、書籍『ライバルはいるか?』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です)