「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

【33,800円の「5%引き」】が瞬時に答えられない人は二流。数字に強い“一流”はどう考える?Photo: Adobe Stock

「%」の計算、どうしていますか?

33,800円のトースターが5%オフに。いくらの割引?

「ずっと買いたいけど、高いから我慢している……」そんな家電が割引価格で売られていました。「5%引き」です。

みなさんはこの割引、「お得」だと思いますか? それとも、「あまり安くなっていない」と考えるでしょうか? 特に家電を買うときは、額も高いので割引もシビアに考えたくなると思います。

ここで数字に弱い人は、「なんとなく安いから、買ってしまおう!」と考えるかもしれません。

しかし、数字に強い人は、暗算や計算を始める前に、まず数字を「扱いやすく」変えて、てなずけています。

今回は、「数字がこわい」がなくなる方法の1つ、「10%計算法」を少し応用した「5%のカンタンな計算方法」をやってみましょう。

まず、「10%」基準を先に求めよう

この「10%計算法」は、まず10%を基準として求める計算法です。次の順番で考えると、超カンタンに計算ができます。

①まず、「10%」分を求める。
②求めた「10%分」を半分にすると、5%になる。

さっそくやってみましょう。

そういえば、「33,800円」は、端数が多いので、なんだかとげとげしていますね。
本書で使う「まるめる」(計算をカンタンにする魔法の1つ)を使って、まずはまるめてしまいましょう。

33,800 → 34,000 ※30,000強、でもまあよいでしょう。

そして、今回求めたい「10%」を求めましょう。10%はすぐに計算できますね。0をひとつ取ればよいだけです。

① 34,000の10%は? → 3,400

では次。5%は10%の半分ですね。つまり、①で求めた「3,400」の半分です。

② 3,400の半分は? → 1,700

つまり、1,700円くらいの割引です。安くなった気がしましたが、結局32,000円くらいはかかってしまうんですね。

いかがでしょうか。こんな解釈をするだけで、計算が非常に速く、正確になりました。

これは計算を機械的にやらず、「10%の2倍」という”意味”でとらえて、計算しやすく変換したからです。難しい数字が急にカンタンに、かわいくなりました。

数字に強い人は、計算する前に「一度、立ち止まる」

このように、数字に強い人は、電卓を使わないと計算できなそうな数字に出会ったら、いきなり頭の中で計算をしたりはしません。そうすると頭が疲れてしまいますから。

数字に強い人は、自分の頭を使う前に、「数字のほうをカンタンに変換して」からラクに計算をしています。逆に言えば、「数字に弱い人」は目の前にある面倒な数字にそのまま挑んでしまい、消耗するのです。

この「10%計算法」は、様々な応用ができる非常に便利な方法です。「数字に強く」なりたい人は、計算前に一度「立ち止まる」ことを心がけてみるとよいでしょう。

(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』に関する書き下ろし原稿です)