「餃子の王将」と「バーミヤン」の決定的な違い
![この餃子の王将、何かがおかしい…「日本一オシャレな王将」店に入って仰天した!](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/c/2/450/img_c2ccdc2ecf5052839107b695d8d1c8bf5193463.jpg)
取材を重ねるうちに、学生時代には意識しなかった餃子の王将のすごさが理解できるようになった。合理性を突き詰めるサイゼリヤやバーミヤンとは全く異なる戦略を持ち、調理人の技術力が極めて高いのだ。
創業当初、雇った料理人たちのプライドが高すぎて統制が取れず苦労したと創業者は述べていたが、現在では教育システムが確立されている。餃子など一部のメニューはセントラルキッチン方式を採用し、調理工場で製造されたものが各店舗へ供給されている。しかし、基本的には店舗ごとに一から調理を行う方式を維持している。
例えば、キャベツの価格が上がった年には、キャベツを少なめにしてコストを抑えるといったことも可能である。注文の偏りによって余剰が発生した具材も、別の料理に活用することで食品ロスを最小限に抑えられる。こうした柔軟な運営が、物価高騰の影響を軽減する一因となっていると考えられる。
厨房のレベルが高いため、メニューの幅が広く、多様な層をターゲットにできる。競合となるのは中華料理店だけでなく、ハンバーガーチェーンや丼チェーンなども含まれる。
同価格帯の飲食店の中で、若者に人気のファストフード、男性に好まれる丼ものやラーメン、女性に支持されるヘルシーフード、シニア層向けの持ち帰り弁当など、多様な競争相手が存在する。競争環境が激しい一方で、どの層にもアプローチできる柔軟な戦略が強みとなっている。
現状、王将にとってまだ未開拓となるのが、女性の一人客と外国人観光客の獲得だ。従来の餃子の王将には女性の一人客が比較的少なく、外国人観光客もまだ足を運ぶ層が限られている。今後、店舗の雰囲気やブランディングを工夫することで、新たな客層を取り込む余地がある。