35カ月連続「過去最高」の絶好調

この餃子の王将、何かがおかしい…「日本一オシャレな王将」店に入って仰天した!Photo by Kenichi Ogura

 日本経済は、堅調な企業収益を背景に、緩やかな回復傾向を示している。だが、実質賃金の伸び悩みや物価高騰による節約志向の高まりから、個人消費の勢いは鈍化している。外食業界では、人流や客足の回復に加え、好調なインバウンド需要が追い風となり、総じて堅調に推移している。

 一方で、慢性的な労働力不足による人件費の上昇、エネルギー価格や原材料価格の高騰、物流2024年問題に起因する配送費の増加など、コストアップ要因が経営環境の厳しさを増している。

 こうした状況下でも、餃子の王将を運営する王将フードサービスの業績は絶好調だ。2025年3月期第3四半期の売上高は814億4500万円となり、前年同期比7.8%増と過去最高を更新した。35カ月連続で同月比過去最高売上を更新し続けた結果である。

 営業利益は75億9400万円(同1.0%増)となり、4年連続の増益を達成した。純利益は52億600万円(同7.5%減)。前年の土地売却による利益の反動が主な要因である。

 客数の増加が業績好調を支えた。店内飲食の回復が大きく伸び、テイクアウトやデリバリーの需要も引き続き堅調に推移した。価格改定も売上向上に寄与し、全体として安定した成長を維持している。今後も外食需要の変化に対応しながら、収益力を高める戦略が求められる。

 餃子の王将の持つ強みを一言で表せば、調理場のレベルの高さにある。筆者が経済誌「プレジデント」編集部に在籍していた頃、直属の上司が餃子の王将好きのデスクだったため、何度か取材をする機会があった。