米オープンAIの資産を買収するという実業家イーロン・マスク氏の提案は、同社のサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)がそれを受け入れるかどうかに関係なく、アルトマン氏に悪影響を及ぼす可能性がある。オープンAIは数カ月前から、「チャットGPT」の開発事業を切り離して営利企業に転換する計画を進めている。アルトマンCEOはその一環として、現在同社の経営を統括している非営利組織に対する公正な補償方法を決めるため、出資者と協議を続けている。投資家連合の支援を受けたマスク氏の974億ドル(約15兆円)での買収提案によって、オープンAIの理事会(取締役会に相当)は、非営利組織の価値の評価を見直さざるを得なくなる可能性がある。オープンAIは、非営利組織が取引によって公正な補償を受け、営利企業に転換後の同社の株式を保有すると述べてきた。
マスク氏の買収提案、アルトマン氏に圧力
営利企業化を図るオープンAIの計画が一層複雑になる恐れ
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