ドナルド・トランプ米大統領は、泥沼化する世界の紛争を解決するため従来と異なる対応を打ち出している。ウクライナでの戦争を巡っては、ロシアに譲歩した形で解決への協議を提案している。また、ガザ地区については全住民の移住を計画し、パレスチナ国家樹立への期待を打ち砕いた。同氏が示したこれらの青写真は、数十年続いてきた米国の政策を否定するものであり、また、終わりの見えない衝突を解決しようとこれまで打ち出されてきた案がいずれも失敗に終わったという明確な主張でもある。トランプ氏にとって、ガザとウクライナは極めて似通ったものに見えている。両地域では数千人が無駄に命を落としている他、都市は廃虚と化し、古くからの遺恨が終わりのない戦いのきっかけとなっている。