ミッキーマウスとダンサーの「地方まわり戦略」で見えたもの

 東京ディズニーランドに来てもらうための仕組みを準備していく一方で、お客さまに直接、ディズニーランドとは何か、を理解してもらうための取り組みも進めていました。

 これは、まさにディズニーらしいマーケティングだったといえるかもしれません。直接、ディズニーランドのクオリティを体験してもらう。ここに最もこだわった取り組みだったからです。

 このとき行われたのが、ミッキーマウスと、アメリカのディズニーランドから呼んできたダンサーを中心としたチームによる日本全国を回るショーでした。日本国内それぞれの地方都市で展開したのですが、どこも大変なにぎわいでした。

 これは本書の中でお話しているのですが、東京ディズニーランドは「地方」をとても大切にしていました。今のこの入場者数もリピーター率も、地方からのお客様抜きではとても達成できません。いかにして「最初に興味を持って来てもらうか」「リピーターになってもらうか」、地方戦略を積極的に行っていたのです。