なぜ、お金をかけてまで「本物」を見てもらうことが大事なのか?

 地方都市に赴き、繰り広げられるのが、プロのダンサーによる本格的なショーです。わずか30分ほどのショーですが、ディズニーランドのクオリティを認識してもらうには、十分でした。私もほとんどの都市に同行しましたが、見ている人が圧倒されているのがよくわかりました。

 ショーには、一般のお客さま以外にも、その都市の旅行会社の方々にも見てもらいました。「本物」を見てもらうことで、東京ディズニーランドツアーがいかに潜在的な可能性があるか、ぜひとも理解してほしかったからです。 

 イベントが終わると、私はその地方ごとにたくさんの旅行会社を回りました。パンフレットを置いてきたり、ポスターを貼ってきたり、ビデオ放映をお勧めしてきたり。これは、強力な営業機会にもなりました。

 もちろん全国ツアーとなれば、それなりの費用がかかります。しかも、アメリカからダンサーがやってきている。ただ、そうであったとしても、しっかり「本物」を体験してもらいたい、というのがディズニーランドの考え方なのです。

 なぜなら、ビデオやテレビ映像では絶対に伝えることができないものが、ライブで伝えられるから。音と映像、そしてショーという、ディズニーランドのクオリティの根幹を見てもらうことができるからです。