「優秀な人が、他者から批判されたり嫌われたりすることよりも恐れていることがあります」
そう語るのは、転職エージェント「キープレイヤーズ」代表の高野秀敏さん。1.1万人以上のキャリア相談、4000社以上の採用支援の経験を持つヘッドハンターであり、「現場」と「経営者」の両方の視点で、「圧倒的に活躍する人たち」と関わってきました。
その高野さんがベンチャー流の「結果を出す働き方」をまとめた書籍『ベンチャーの作法』が刊行。“きれいごと”抜きの仕事論に、「ベンチャーにかぎらず全ての組織で役立つ!」「よくぞここまで書いてくれた!」と、SNSで多数の感想が投稿され、自社の「課題図書」にする企業も続出するなど異例の反響となっています。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、「仕事ができる人の特徴」についてお伝えします。

仕事ができない人は「批判される」ことを恐れる。では、優秀な人がいちばん恐れていることとは?Photo: Adobe Stock

本当に優秀なのは、どっち?

 考えてみてください。

 1年間で打席に5回立ち、4回成功したAさん。
 1年間で打席に50回立ち、10回成功したBさん。

 どちらが優秀と言えるでしょうか。

 成功率で見たら、80%と20%。Aさんのほうが優秀に見えます。
 ですが、より多くの「勝ち」をもたらしているのはBさんです。

 目指したいのは、Bさんです。

 それでもしAさんに「40回も失敗している」なんて批判されても、気にする必要はありません。心の中で「私はあなたの10倍挑戦し、倍以上の結果を出した」と、勝ち誇ればいいのです。

 そしてもし、あなたがAさんであるなら。挑戦の回数を少し増やすだけで、Bさんよりも多くの結果を得られます。

 失敗しない能力のある人こそ、守りに入るのではなく果敢に挑戦すべきなのです。

「嫌われる」よりも恐れるべきこと

 批判されるのは嬉しいことでもあります。
 組織のなかであなたが存在感を示せている証拠だからです。

 好きな芸能人1位は、嫌いな芸能人でも上位だったりします。
 存在感があるからこそ批判されるわけです。
 批判してくる人の数だけ、あなたのことを応援し、期待している人もいます。

 いちばんつらいのは「無視されること」です。
 毒にも薬にもならない。そんな言葉もあります。

行動できない人たちの声に囚われるな

 波風立てずに生きていきたい。
 それがモットーの生き方も当然ありですが、結果を出すことはできないでしょう。

 結果を出したい、存在意義を得たい、そう思うのなら遠慮する必要はありません。批判はされるものとして受け入れて、行動していくことです。

 批判してくるのは行動に移す勇気のない人たちです。そんな人たちは、行動した人を責め、批判することで、行動しない自分のことを肯定しようとします。

 そうすることでしか自身の選択を肯定できないのですから仕方のないことです。気にするだけ無駄です。

 そんなことに時間を浪費せずとも、あなたが結果を出せば、コロッと態度は変わります。

(本稿は、書籍『ベンチャーの作法』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です)