私立小学校の学費は
年間100万円が目安

【私立小学校】
 その役割は「個性ある教育の提供」です。創立者の教育理念を基に、各学校独自の方針を掲げ、それに基づく教育を学習指導要領に則った形で実践しています。現在、全国で249校ありますが、国立小のように全国に均等に散らばることはなく、一都三県に全体の41%(103校)の学校が集中するという偏った地域性があります(文部科学省学校基本調査 令和6年度)。

 気になる学費ですが、学校によって幅はあるものの、年間100万円程度が目安となります。安くはありませんが、月額換算すると10万円弱。世間で言われるほど資産家だけの世界ではありません。ましてや「お金持ちでないと入学後に苦労する」というのも都市伝説です。

 もちろん、各家庭の可処分所得は異なるので、差はあるでしょうが、学校は子どもが学ぶ場所です。親の付き合いの場でもなければ、寄付金の額によって現場の教育に差が出ることもありません。そのような噂は、学校(先生方)への敬意を欠くものだと断言できます。

 全国の1学年の児童数は約100万人。うち国立小学校に通うのは約6000人(0.6%)、私立小学校は約1万3000人(1.3%)。圧倒的なマイノリティ市場となっています。

 全国の私立小学校のおよそ4分の1(55校)がひしめく東京都に限っても、小学生の児童数約62万人に対して、私立小学校の児童数は約2万6000人と、4%ほどに留まります。東京23区に絞って見ても、児童数約41万人に対して約1万7000人と、都全体と大差なく、幼稚園1クラスに1人いるかいないかのイメージです。

 ちなみに私立中学生の割合は全国で7.9%、都内に限れば26%(約4人に1人)にも上ります。

 つまり、それくらいの規模なので、知らない人は全く知らない、イメージも湧かないというのが小学校受験の世界。「小学校受験なんてお金持ちの世界よね」といった揶揄が延々と続くのもそのためです。