小学校受験の特徴は
「親の試験」があること

 小学校受験ではどんな選考試験があるのかをまとめてみました(ちなみに、小学校受験では試験のことを考査と言うことが多いです)。

 小学校受験の内容で最も特徴的なのは、子どもに加えて願書と面接という「親の試験」があることです。これは、補足的に家庭を見るものでなく、親自身も選考の対象になっていることを表しています。

 小学校に提出する願書に、かなりの分量を求める学校も存在します。「これさえ書けばOKという定型文があるんでしょ」と思われがちですが、ありません。各家庭、知恵を絞って100人に1人レベルの目を引く願書を書く努力をしています。

 というのも、願書は学校側への第一印象を形成するものだからです。そこで、学校と家庭とで教育方針等が合致しないと判断されると、その後の面接や子どもの考査で巻き返すのは至難の業となってきます。

考査の合否を決める
「3つのポイント」

 子どもの考査は大きく3つに分けられます。

発達診断:年齢・月齢相当に発達しているかの確認です。運動や巧緻性(手先の器用さ)の試験、面接、反復型の筆記試験(ペーパー考査)などがこれに当てはまります。

ポテンシャル:子どもの伸び代を推し測る考査です。思考力型のペーパー考査や絵画・工作などで、思考力や発想力、話を聞く態度・姿勢を見ています。

協調性:行動観察での所作や教室の移動中の態度などが見られます。近年、ペーパー考査重視だった進学校が行動観察の比重を増している傾向があります。それも円滑な学校運営の素地として、各校が改めて重要視していることの表れです。

 まとめると、「年相応の発達をしていて、将来の伸び代がありそうで、きちんと先生の話を聞ける子ども」を、学校は考査で推し測っています。その中のどれを優先しているかが学校によって異なるので、志望校に合わせた対策が必要になるのです。

 また、子どもの考査を通じて学校が見ているものが「家庭力」です。古今東西、子は親の鏡です。願書や面接だけを取り繕っても通用しません。学校はあらゆる角度から親の姿、家庭の本当の姿を見ようとするのです。

書影『小学校受験は戦略が9割』(新潮社)『小学校受験は戦略が9割』(新潮社)
狼侍 著