「もう疲れすぎて家事なんてイヤ」「料理がめんどくさすぎて死にそう」──そんな悩める人たちにおすすめなのが「はじめて楽しく料理ができた!」「感動した!」「もう献立に迷わない!」と絶賛されている『厨房から台所へ』と志麻さん初の著書『志麻さんのプレミアムな作りおき』だ。特に『厨房から台所へ』は新聞書評で東大教授が絶賛。志麻さんの手にかかると、冷蔵庫にある食材が、ふだん食べられないプロのレシピに大変身。まさに魔法使いだ。これさえ覚えておけば、平日多忙なお父さんお母さんも、尊敬の眼差しを浴びるかもしれない。3時間で15品以上作るという志麻さん。今回は「涙が止まらなかった」と話題の『厨房から台所へ』の中から、簡単なのに満足度の高い一品を志麻さん自ら紹介する。(構成:寺田庸二、レシピ撮影:三木麻奈、著者撮影:難波雄史 初出:2019年7月14日付け記事を一部修正し掲載)

【伝説の家政婦・志麻さん】食材は2つだけなのに超満足度の高いおつまみの一品とは?【書籍オンライン編集部セレクション】

6時ぴったりに来ないフランス人

 フランス人はあまり外食をしません。
 普段の食事もそうですが、人を招くときもレストランに行くよりも家でパーティをすることのほうが多いです。

 私自身もよくパーティに招かれたり、招いたりします。

 パーティが始まる時間が夕方の6時からだと言われたら、日本人はきっちり6時に行ってしまいますが、私の知り合いのフランス人たちはのんびりで、6時ぴったりにみんなが集まることはありません。

 6時くらいからポツポツ人が集まり、食前酒を飲みつつ、おしゃべりをしながら時間をすごします。

 はじめてその家に来た人には家の中を案内してくれます。

 私が学生時代に初めてお邪魔したフランス人の家庭では、リビングやキッチンはもちろん、バスルームや子ども部屋、地下室、庭に植えてある木や花の説明までしてもらったのを覚えています。

 私の住んでいる家は古民家で狭いのですが、確かに旦那のロマンも、初めてくるお客様には家の隅々まで説明していました。

 そんなことをしていると、あっという間に時間が過ぎ、全員揃う頃には8時を過ぎていることもあります(笑)。

簡単なのに満足度の高いおつまみの一品とは?

 食前酒のおつまみとしてよく出されるのがプルーンのベーコン巻きです。

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 作り方は簡単で、乾燥のプラムにベーコンを巻いてオーブンで焼くだけです。

 プルーンのねっちりとした食感と甘み、ベーコンのしょっぱさ、スモークの香りが一口で味わえます。

 こんなふうに、あまり手間がかからず作れるパーティ料理は意外にもたくさんあるのです。

 パーティなのにこの料理? とびっくりするくらい手がかかっていないことだってあります。

 それでも気にする人は一人もいないし、ゲストもホストも気張らず楽しめて、年齢も職業も関係なく楽しく話していると、あっという間に時間が過ぎていくのです。

 プルーンのベーコン巻きはトースターや魚焼きグリルでも作れるので、この週末、本書を活用しながら、晩酌をされる方や、お子様にもぜひ作ってみてください。