
フジテレビを有するフジ・メディア・ホールディングス傘下にあるラジオ局、ニッポン放送が「オンラインカジノ」のCMを放送していたことに関して、“言い訳”まがいの声明を発表した。一方それとは別に、韓国のカジノIRを猛烈に宣伝するような番組も存在している。カジノとメディアの事情は、どうなっているのか? カジノIRに詳しい専門家が解説する。(ライター 三浦健史)
オールナイトニッポンのCMでオンラインカジノ
フジ・メディア傘下ニッポン放送の言い訳とは?
吉本興業のお笑い芸人が次々と名指しされた一連のオンラインカジノ騒動に関して、「オンラインカジノは違法だと分かったけれど、ネットやラジオで頻繁に流れていたオンラインカジノの広告は合法だったの?」といった声は多い。
ラジオリスナーなら、「オールナイトニッポン」でオンラインカジノのCMが流れていたのをよく覚えているだろう。あれは、ニッポン放送の“言い訳”に従えば、正確には「オンラインカジノ事業者が運営する無料のカジノゲーム」のCMということになる。
ニッポン放送は2月18日、「有料オンラインカジノの広告を放送したことはありません」「カジノ無料版などのタイトルで運営されている無料オンラインゲームの広告については、弊社考査基準内で放送の実績があります」と声明を出した。
とはいえ、無料で遊べるカジノゲームが、そのまま実際にお金を賭けるオンラインカジノの入り口になっていたのは周知の事実だ。何より、オンラインカジノを運営している事業者が出している広告だ。クライアントがどんな狙いでCMを出稿したか、ニッポン放送は最初から分かっていたはずだ。
ニッポン放送に同情すべき点があるとすれば、「闇バイト」など若者が犯罪に手を染めるきっかけとして、オンラインカジノでの借金が問題となったのは2023~24年頃だった。それまではオンラインカジノに対して、「明確には違法ではない、グレーだ」などと言うインフルエンサーがたくさんいて、アフェリエイターとしてオンラインカジノに誘導していたが、野放しにされていた。
ニッポン放送は、「ご指摘をいただいたことから、より万全を期すために、WEBやSNSの過去投稿等を削除しております」「今後は、考査基準をより厳格化して運用してまいります」と先の声明を結んでいる。