フジテレビとTBSPhoto:PIXTA

中居正広さんのトラブルに端を発するフジテレビの経営問題で、社長会見が行われた翌日、TBSが「当社も実態を社内調査する」と発表した。TBSの素早い行動は、おそらく30年前の大事件の教訓だろうと思った。メディアの存在意義が問われた、あの不祥事である。(コラムニスト 坪井賢一)

中居正広・フジテレビ問題の余波
TBSが我先にと社内調査に乗り出した背景

 タレントの中居正広氏が、女性とのトラブルを理由に芸能活動を引退した。このトラブルにはフジテレビの幹部社員が深く関係していると「女性セブン」や「週刊文春」が昨年12月に報じていた。そして、1月に入るとタレント個人の問題からフジテレビのガバナンス問題へ拡大していった。

 フジテレビの港浩一社長は1月17日の記者会見にて、同トラブルを「発生直後から認識していた。2023年6月初旬」などと発言。経営トップにこの事案が報告されていたにもかかわらず、結果的にずっと放置されていたことが露呈した。

 当該の幹部社員は否定しているそうで、真相は今のところ不明だ。3月末とされる第三者委員会による調査結果発表まで分からないままだろう。

 ところで、港社長の会見が行われた翌日、TBSが「当社も実態を社内調査する」と発表した。続いて数日後には他の民放キー局も同様の発表をしているのだが、TBSの素早い行動は、おそらく30年前の大事件の教訓だろうと思った。