私の場合は、テレビやラジオの仕事が増え鍛えられた部分もあります。15秒で、誰にでもわかる、しかも面白くてためになる話をしなくてはならないのです。
ただ、会社員時代も、売れる営業担当ほど情報が豊富で、有益なネタ提供を行っており、そんな様子をみていました。仕事に関係ある分野でも、それ以外でも構わないので、ビジネスの会話の中での滑らない話をストックするのです。きっと会話を弾ませるきっかけになるし、情報感度も研ぎ澄まされるはずです。
コミュニケーションの命中率を上げるにはどうすればいいか。当たり前のことですが、相手はどんな人で、何に困っていて、何をしてもらうと嬉しいのかを考えてみましょう。中高年が嫌われるのは、そのセンスが致命的に悪いからです。
どんなに事前に調べても
7割は相手に話してもらう
初めて会う際には、その企業のことや、会う人のことを可能な限り調べておいた方が良いことは言うまでもないです。
もっとも、事前に調べたことで相手について決めつけてしまってはいけません。あくまでイメージする材料としましょう。
また、いかにも「ちゃんと調べましたよ」とアピールするのも良くないです。事前に調べた上で、あくまで教えて頂く姿勢で質問をするのです。自分が話す量を減らし、相手に7割は話してもらった方がよいです。この話す絶対量を減らすのは中高年の大事な処世術です。
何かを伝える際は、相手の立場を意識する。立場といえば役職や年齢もそうですが、話題との距離を意識してどれくらい丁寧に説明するのかを考えましょう。
たとえば、プライベートで親の介護や、実家の片付け、あるいは自身の生活習慣病の話をするとしましょう。相手がその当事者かどうかによって、話をどこまで伝えるかは変わってきますね。
当事者ではない場合は、前提から伝えなくてはならないですし、相手が関心を持ちそうなポイントを中心に話すべきです。相手にとって、すぐに役に立つ話ではありません。将来に役に立つ、あるいは身近な話題として役に立つように、切り口や表現方法を工夫して伝えるべきです。