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自分から挨拶をしない、人によって態度を変える、自己中心的など、その言動で周囲を困惑させる“子供な大人たち”。周りを巻き込みつづけていると、孤立する未来が待っているかもしれない。そんな彼らが、心身ともに成熟した大人になるためのメソッドとは。ベストセラー作家の有川真由美氏が解説する。※本稿は、有川真由美『30歳でも大人な人 50歳でも子供な人―人間関係も仕事も全部うまくいく大人になる97の方法』(興陽館)の一部を抜粋・編集したものです。

自分から挨拶をすれば
相手との距離感もつかめる

 職場でも近所でも、自分からは挨拶しない、挨拶をされてもボソリと目も合わせずにつぶやくだけ……という人がいるものです。

 理由は「内向的で恥ずかしがりや」「人づき合いが苦手」「挨拶の必要性を感じない」などいろいろあるでしょうが、心の奥に自信のなさと、人を信用できない気持ち、そして、いくらかの“甘え”があるのではないでしょうか。

 挨拶はマナーの基本中の基本。「あなたに心を開いています」というメッセージになります。内向的な性格の人でも、その場所で生きていこうと思うなら、「おはようございます」と自分から挨拶したほうが、なにかと助けられることもあるはず。

 にっこりと笑顔で声をかけたり、「今日はいい天気ですね」「お久しぶりです」とひと言加えたりするだけで立派な会話になり、こちらが心を開いていることを示せます。

 挨拶をしない人は、深く考えていなくても、まわりからは素っ気なく見えてしまう。「嫌な感じ」「礼儀がない」「仲良くしたくないのだ」と不信感をもたれて、対等な関係を築くことはできないでしょう。そんなところから、仕事がスムーズにいかなかったり、ご近所トラブルが生まれたりするリスクが高まるのです。

 大人であれば、自分からにっこりと挨拶をしたいもの。それで相手が無視して、心を開かなくてもいいのです。自分の気持ちがいいからという自己満足でもありません。

 挨拶をすると、すぐに会話が始まる相手、社交辞令で終わる相手、よそよそしい相手など、それぞれどのくらいの距離を保てばいいのかの目安がつきます。相手の対応からほどよい距離感がつかめたら、摩擦を生まずにおつき合いがしやすくなるわけです。

 そして、相手がどんな人でも、どんな態度であろうと、自分は心を開いて「いつでもウェルカム!」というオープンな気持ちを示すのが大人ではないでしょうか。

互いに心地よくつき合うために、大人のマナーはあります