「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

「10%引き」「10%還元」どちらがお得?
一見同じように思えます。たとえば税込1万円の商品を買うとしましょう。
10%引きなら1000円安くなり、9000円になります。
一方、10%還元では1万払う代わりに、あとから1000円分のポイントを受け取れます。
計算上はどちらも「1000円分お得」となります。やはり、同じに見えますね。
しかし、違いがあります。残念ながら「数字に弱い人」のままではこの違いに気づくことは難しいでしょう。今回は、「数字に強い人」の考え方について紹介します。
より確実にお得になるのは「10%引き」
結論から言ってしまうと、より確実にお得になるのは「10%引き」のほうです。
それぞれについて具体的に考えてみましょう。
まずは【支払うべき額】について。
10%還元→10000円
そう、支払うべき額は、明らかに10%引きのほうが低いのです。ポイントなどの「還元」は、あくまで後からその金額分のポイントをもらえるだけです。実際に支払うときの負担額はどうしても高めになります。
「数字に強い人」は数字の「意味」まで理解している
では、還元で得たポイントは、「いつ」「どこで」使うのでしょうか。
もし受け取ったポイントが自分のよく利用するお店やネットショップで使えて、かつ有効期限内にきちんと使い切れるなら、それ以上のお得感が生まれることもあるかもしれません。しかし、このポイントは使わない・使えないケースも少なくありません。そうすれば、結果として1000円分を損してしまいますよね。「ポイントを使わないまま、有効期限が過ぎてしまった……」という経験、みなさんもあるのではないでしょうか?
このリスクを小さく見積もってはいけません。普段の買い物をできるだけ安く済ませたいなら、シンプルに10%引のほうが安心です。
数字に強い人は、この「割引」と「還元」の違いをしっかり理解しています。つまり、それぞれの数字にとらわれず、その「意味」までしっかり把握しているのです。しかし数字に弱い人は、あまり深く意味を考えずに「どちらも同じ」だと考えてしまいがちです。ここに、「数字に強い人」と「弱い人」の差が出ます。
「割引」と「還元」。本来ははじめから10%引きを選んでおくほうが“確実に負担を減らせる”ことをよく理解しておくと、「数字に強い人」に近づいていけるでしょう。
(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』の一部に加筆・調整・編集した原稿です)