え、落雷?屋上に避雷針が付いているのに?避雷針より低い場所に雷って落ちるの?理科に興味を持ち始めた子どものように、次から次へと疑問が湧いてきます。
現場を見ると、壁面には確かに大きな穴が開いていて、穴の周辺には亀裂も見られました。ここ数日で雷が鳴るような天気の日はなかったので、かなり前から穴があった可能性も考えられます。放置による劣化やその他の環境要因によって穴と亀裂が拡大すると、壁面が崩落する危険性も十分ありました。タワマンの壁面が崩落すると想像しただけでも恐ろしいですが、その壁面の下には、人が通行する歩道が。もし崩れた壁が通行人を直撃するような事態が起きたら、それはもう大惨事です。
人命にも関わる事態なのに
管理会社はのんきなもの
いてもたってもいられなくなった私は、歩道にカラーコーンで安全対策をするよう管理人にすぐ指示をしました。壁面自体も放置していると雨水が侵入し、鉄骨に錆が出るなど、建物を傷めて将来の補修費用が膨らむ可能性があります。

もちろん人命最優先で措置を取りますが、こんなときでも将来的な補修費用の心配をしなければならないのが理事長の辛いところ。一刻も早く補修したい気持ちを抑えつつ、具体的にどう対応するかは理事会で決議しなければなりません。決議までの間に補修の見積もりを依頼し、損害保険で費用が賄えるか調べるなど、動けるだけ動きました。
スピーディに理事会での決議を経て、急いで管理会社に発注をしましたが、担当者は会社の研修を優先していたらしく連絡が取れないのです。タワマン理事長と管理会社の担当者ではマンションを守ろうとする熱量に温度差がかなりあるのも、悲しいかな「マンションあるある」のひとつかもしれません。