
すぐれた眺望が味わえるタワーマンションでは、他の超高層建築と同じく、航空機がぶつからないよう、航空障害灯を点灯させねばならない。だが、電通マンの筆者が理事長を務めるタワマンで、そのランプのすべてが消えていた。しかも管理会社は半年前から事態を把握していたという。どういうこと……!?※本稿は、竹中信勝『タワマン理事長 - ある電通マンの記録』(ワニブックス)の一部を抜粋・編集したものです。
あわや航空機が激突!?
航空障害灯が消えていた
タワマンには、一般のマンションではあまりなじみのない「航空障害灯」というものが設置されています。航空障害灯は、地上60メートル以上のビル・鉄塔・煙突・クレーン・風力発電機などの建築物に設置することが航空法で義務付けられているものです。
夜景を見たとき、赤色で点滅する高層ビル群の明かりが見えると思います。あれが航空障害灯です。おそらく、すべてのタワーマンションが航空障害灯の設置対象になっているのではないでしょうか。
タワマン理事長になるまでの私は、高層建築物に航空障害灯が付いていることを漠然と認識しており、「飛行機やヘリコプターがぶつかったら危ないよなぁ」程度にしか気にしていませんでした。
しかし私が理事長になって、航空障害灯がすべて点滅していないことが発覚。しかも管理人は半年前から知っていたらしいのです。何で点滅してないの!?というか、わかってたなら早く言って!?です。
設置した業者と連絡つかず
原因がいっこうにわからない
航空障害灯が点滅していないのは法令違反であるばかりか、もし緊急事態が発生して屋上のヘリポートを使用したい場合でも、使えない状態だったことがわかりました。怖い、怖すぎる。ゾッとしました。
至急、修理の依頼を管理人にお願いしたところまではよかったのですが、「最初に航空障害灯を設置した業者が廃業」「電球がいっぺんに切れるのはおかしいので、配線等に問題がある可能性」などの問題が出てきて、なかなか対応がされないまま。私はもう、法令違反が継続している状況に危機感を抱き、いてもたってもいられず、自分の知り合いを通じて調べに来てもらったりもしましたが、それでも原因がわかりません。
そもそも、電球の交換が定期的にされていたかどうかも管理人の回答が曖昧でわかりませんでした。調査をしてもらうにも、やはり予算がないのはいつものこと。専門家を呼ぶと出張費をはじめとした経費が発生するので、私の知り合いに頼んでなるべく費用を抑えながらお願いをしていました。